人材採用で重要なことは、
やるべきことをやることではない。
やってはいけないことをやらない
ことなのです。
この連載では、人材採用でやっては
いけないことを「べからず集」として
書いていきます。
第18回は
「金と時間惜しむべからず」
です。
正気なのだろうか?
もしも「採用活動にはできるだけ
時間もお金もかけたくない」と
本気で言う経営者や採用担当者が
いたとしたら、そんな人とは
一緒に仕事はできない。
正気なのだろうか?と確かめ
ずにはいられない。
人材がいなければ、企業・組織は
一歩たりとも先には進めない。
企業・組織が倒産、崩壊するのは
売上があがらず、儲からなくて
お金が無くなったからではない。
人材がいなかったためである。
それが根本理由である。
逆をいえば、困難な状況に陥った
としても、人材がいれば乗り切れる
可能性が高いといえる。
ローマ帝国から東芝にいたるまで、
国が滅びたり組織が崩壊したり
したのは、ただひとえに、人材に
恵まれなかったためである。
そのことには多くの人が同意する
だろう。
ならば、その人材を獲得するための
採用活動に時間もお金もかけたく
ないというのは、どういうこと
なのだろうか?どう理解すれば
いいのだろうか?
優秀な人材を獲得することに
つながらない、余計な時間や
お金をかけたくないという
ことならば理解できる。
お金をかけて募集したのに
ロクな人材の応募がなく、
面接はドタキャンされ、
内定を出しても大手企業に
持っていかれるのが現状だ。
そのことにほとほと嫌気がさし、
もう何もしないほうがいいのでは
ないかと、なかば諦めムードで
いるだけなのであれば、私も
採用活動支援のプロとして、
力の限り、お手伝いさせて
いただきたいと思う。
だが、とにかく採用活動には
時間もお金もかけるつもりが
ない、という場合は、もはや
取り付く島もない。
私にできることはなにもない。
考え方が違いすぎるからだ。
えてしてこういう考えの経営者は
人を大切にするつもりがないこと
が多い。使い捨てのコマと考えて
人を雇っているので、誤解を
恐れずに言えば、このまま採用難
にまみれたままこの世から消えた
ほうが世の中のためである。
そんな企業の延命に力を貸す
つもりはない。それは職業的
良心にもとると考えている。