人材難の現在、若くて実績もあり
即戦力になる、誰から見ても
「優秀な」人材を採用することは
困難です。
そんな「見た目」に惑わされず、
今はさほどではなくても、これからの
成長が見込める「掘り出し物」採用を
する方法をお伝えします。
第7回は
「書き言葉で書ける人」
です。
指先で書く文章
SNSの普及とともに、電話で話す
ことが苦手な人が増えている。
指先で書く文章でコミュニケーションを
取ることに慣れすぎているため、電話が
怖いという人さえいるようだ。
そのためなのか、企業が就活生と連絡を
取ろうと電話しても出ない人が多くなり、
メールやSNSで連絡することを余儀なく
される。会社に入っても電話を取るのが
怖くて、新人の最初の仕事である電話番
すらできない。
連絡手段としてSNSが主流になった
ことで出ている弊害がもう一つある。
書き言葉の衰退である。
SNSは確かに文章を書いているが、
それは話し言葉の延長である。
素早く簡潔に意思を伝えることが
目的のため、パッと見て即座に
意味を理解できるよう、単語と単語を
つなげただけの短い、使う語彙も語数も
少ない文章になりがちだ。
そんな話し言葉で書かれた文章を
書いて読んでいることに慣れて
しまうと、新聞や本で使われる
語彙も豊富で論理的な文章である
「書き言葉」を読むことも書く
こともできなくなる。
いくらSNSで文章を書いていても
仕事で使う資料や文書を書ける
ようにはならないし、新聞や本を
読むための読解力はつかない。
まったく別物なのである。
きちんとした文章を書けないという
ことは、そんな文章を読むことも
できないということだ。
最新の、そして高度な内容の情報は
書き言葉で流通している。それを
理解することができないので、
新聞や本を読むことができなく
なっている人が増えているのだ。
時間がない、忙しい、読みたい
本がない、というのはすべて
言い訳なのである。実のところは
「読むことができない」のである。
今後、きちんとした書き言葉
書かれた文章を「読み書き」できる
人とそうでない人がはっきり分かれ、
差がますます広がっていくだろう。
採用活動においても、書き言葉が
きちんと使えるかどうか、小論文を
課して確認することをオススメする。