人材難の現在、若くて実績もあり
即戦力になる、誰から見ても
「優秀な」人材を採用することは
困難です。
そんな「見た目」に惑わされず、
今はさほどではなくても、これからの
成長が見込める「掘り出し物」採用を
する方法をお伝えします。
第10回は
「提案がある人」
です。
付き合うとこういう特典が
かなり昔の話になるが、
「ねるとん紅鯨団」という
テレビ番組があった。
どんな番組かを一言で言うと
「男女のお見合い番組」
なのであるが、そこでよく司会の
とんねるずのお二人が、参加者に
対してしていた質問が印象に
残っている。その質問とは
「あなたと付き合うとどういう
特典があるの?」
ということであった。
参加者はそれぞれ、夜景に詳しいとか、
スキーを教えてあげられるとか、
それこそ自分の得意分野を必死に
アピールする。しかし、今から
考えると、多くの参加者が口にして
いたことは、どうもピントがずれて
いて「特典」ではなかったように
思えるのだ。
採用面接も基本的にはこれと
同じだ。あなたを採用することで
当社にとってどんな特典がある?
という質問に答えることができ
なければ、内定はない。
しかし、驚くほどこの点をよく
わかっていない候補者が多い。
実績やスキルはアピールするが、
そこまでで話が終わってしまう
のである。重要なのは、それを
使ってどんな貢献をすることが
できるかということなのである
が、それを語ろうとはしない。
まるで、採用するこちら側が、
候補者の「使いどころ」を探して
見つけてあげなければならない
かのようである。それは面接官が
やるべきこととは思えない。
「ねるとん」で感じていた違和感の
正体はおそらくこれと同じだ。
夜景に詳しい、スキーが教えられる
ことが、それを聞いた異性にとって
「こんなメリットがあるのではない
でしょうか?」という提案がなかった
からではないだろうか?
夜景に詳しいので、なにか嫌なことが
あった時に、それを忘れられるほど
綺麗な夜景スポットに連れて行って
あげることができる。そういう具体的な
「使いどころ」を提案することができて
いなかったために、イメージがわかず
「そうなんですね」で話が終わって
しまっていたのだと思う。
どれくらい得意なのかを語るより、
そのような提案を添え、特典を
明確にすることこそが重要だ。
自分の能力、得意なこと使って
どんなことが可能になるかを
具体的に提案できることが
優秀な人材である。