反逆し続けた働き方 Vol.6「欠席裁判」


組織が人を切ろうとするときには、

一切の容赦はない。組織は、これと決めた

ターゲットを退職に追い込むためになら、

どんな手でも使う。

 

私の場合、事実関係の確認や弁解の機会を

与えらえることもなく、いきなり、一方的に

私の「非」を並べ立てられた書類を示された。

そのうえであらかじめ用意されていた、いわゆる

「始末書」にサインするように求められ、それを

もとに不当な降格人事を予告されるという形の

「退職勧告」を突きつけられたのである。

 

一言も弁明する機会が与えられることなく

死刑判決が言い渡され、即日執行された

ようなものである。

 

究極の暴力装置である国でも、ここまで

非人道的なことはしないだろう。

死刑確実の凶悪犯でも、裁判ぐらいはする。

 

しかし、民間企業だからそんな手続きは

何ら必要ない。容赦なく牙をむく。

弁護人さえ不在の欠席裁判であろうと

なんであろうと、目的を達成できれば

それでいいのである。

 

組織に対して個人が対抗することは不可能だ。

この時には、組織の内外を問わず、私に関する

ことで聞き取り調査が行われた。

その際、私に好意的な証言をした人もいた。

後日確認しているから間違いはない。

しかし、そのことは抹殺され、私に不利な

ことばかりが書類に記載されていたのだ。

 

これではいくら助けを求めても、上司や同僚が

いくら協力してくれていたとしても、まったく

どうしようもない。組織側にいる人間の胸先三寸

で「事実」が作られていくからである。

 

私は黙って「勧告」を受け入れることにした。

反逆は、示された「始末書」にサインだけは

することであった。「始末書」を示してきた人

にも組織内の立場がある。私のサインもない

書類では上司に報告もできないだろうから。

 

ただし、自分の非を認める「反省」を書類に

残すことは断固拒否した。それまで強要する

ようなら、弁護士を立てて徹底的に闘って

いただろうが、そんな必要はなかった。

 

組織は、容赦なく個人を追い込もうとする

割には、法的な処置をとるなど事を荒立て

られることは恐れる。しかし、個人の力で

そんなことをするのはお勧めしない。

 

そんな組織は早く見限り、早く去ること

である。何もしないことが最大の反逆

だろうと思う。