反逆し続けた働き方 Vol.11「私がいる場所じゃない」


私は過去、4回転職してきたが、その中で

体力・精神的にしんどくなって退職したのは

学校を卒業して新卒で入社した会社だけだ。

ほかはすべて「ここはもはや自分がいるべき

場所じゃない」という思いが強くなったので

退職した。

 

いや、退職したというよりも、ここでは

もはや得るもの、学ぶべきことはないと

感じたから、と言ったほうが正確だろう。

所定の課程を修了したことによる「卒業」

だったのだ。次のステップへ進む時が来た

ということである。

 

企業・組織に所属することは、自分一人では

到底不可能な経験や学びを得るために、人生の

ある時期においては絶対に必要である。

古い考え方かもしれないが、新卒入社した

会社では、少なくとも3年はなにがあっても

退職せずに頑張るべきだと思う。

基礎体力をつけるためだ。

それが過ぎたら、自分に合ったトレーニング

環境が提供される場所に自由に移っていく

ことが重要になる。

 

私が新卒入社した会社は、長時間勤務が常態化

している会社で、仕事面でも厳しい環境だった。

周囲には肉体的、精神的にダメージを受けて

退職を余儀なくされる人も少なからずいた。

離職率も高かった。

 

この会社で3年頑張るのが精一杯だったが、

今にして思えばよくそれだけ耐えられたと思う。

あのような働き方では長くはもたない。社員を

「使い捨て」にするようなものだが、それでも

3年耐え抜いたことが、今の自分を作って

くれたと思っている。

 

そのような経験をしている採用担当者という

面を差し引くとしても、新卒入社した会社を

3年もたずに退職しているということは、

マイナス評価にせざるを得ない。

入社しても、またすぐ辞めてしまうかも

しれないということを懸念してのことではない。

基礎体力がついていないことを懸念している

からである。

 

もはや今の時代、一つの組織に所属し続ける

ことこそが、人生における必要なことすべてを

得るための最善の選択ではない。

お金の面だけでなく、スキルや経験の面でも

必要な時には組織を移り、あるいは飛び出して

「自分がいるべき場所」を求め続けることが

必要である。

 

しかし、基礎体力がついていない状態で

組織を移り、飛び出したとしても危険の

ほうが大きい。もはやここは自分がいるべき

場所じゃないと判断するためには、一定の

蓄積が必要なのだが、それがないからだ。

多くの場合、判断を誤ってしまう。

 


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