反逆し続けた働き方 Vol.13「細部にこだわる」


ちょっとしたことに人間の本性が垣間見える。

そこを注意深く観察すれば人を適切に判断

できる可能性が高まる(100%ではない。

そんなことは神ならぬ人間には不可能だ)

人を判断するときにこれ以上優れた材料は

ない。これが私の信条である。

 

それがあまりに「些細な」ことにすぎる!

不当じゃないか?と言われたことも一度や

二度ではない。

採用面接官としての人物評価や、プロジェクトの

チームメンバーを選ぶ際の基準として、この

「些細な」ことを披露すると、たいていの人は

このような反応をする。

 

しかし、そんな「本人でさえ」意識していない

「些細な」ことにこそ、人間の本性が現れるという

考えは変わらない。本性だから容易に変わることも

ないので、人の「演技」を見破り「仮面」を剥がす

にも有効であり、よほどのことがない限りいったん

下した評価を変更することはない。

 

注目する些細な点とは、そんなに特別なこと

ではない。電話やメールをしてくる時間。

会ったときよりも「別れ際」の行動。

書類の綴じ方。

誰に言われるでもなく自然と取ること

になる行動。一言でいえば「配慮」だ。

 

いかに相手の不安、不明点を解消できるのか。

相手が仕事をしやすいようにサポートできるか。

たとえ指示がなくても、仕事の目的が何かを

把握し、適切な行動がとれるか。

訓練で鍛えることはできないことである。

 

「仕事の目的が何か」を全く理解していない

部下の行動であきれたことがある。

 

部署の全体会議を定期的に行っていたのであるが、

会議室の手配やプロジェクターの準備など、会議を

するための準備を誰がするか特に決めていなかった。

いつもその役目を引き受けてくれている部下が、

その日たまたま休んでいた時に事件は起こった。

 

時間になり会議室に行くと準備ができていない。

すでに会議室に来ている者も何人かいたが、

何もせずただ座っているだけだ。結局、会議の

前に、上司である私が準備作業を行うことに

なった。

 

会議の冒頭、私がそのことを指摘すると

「あの、代わりに作業をするように指示

いただいていましたでしょうか?」

との返答がされたのである。

 

私はあきれ返り、それ以上の言葉を継ぐ

ことはしなかった。納得したからではない。

その発言をした者を、そこまでの人間で

「話すに値しない」と判断したからである。

 

いや、発言をした人間だけでなく、その場に

いた全員を私は見限ったのかもしれない。

数か月後、私はこの会社を去ることに

なったのだから。

 

わたしがこのような「些細な」ことで判断する

対象は同僚や部下だけではない。社長をはじめ

とした上の人間にも、この評価方法を平等に

適用してきた。

 

その結果、この人間の下では働くことはできないと

判断した場合には、部署を変わるか、それが叶わぬ

時には組織を離れることを考えた。

 

短期的には職をなくして不利益を被ることに

なるのかもしれない。しかし、長期的には、

そうしたほうが有益になると信じてきた。

それは今も変わらない。人間関係やスリムに

したほうがよい。

 


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