働き方改革によって残業時間が短くなり、
プライベートに使える時間が増えた方も
多いことでしょう。
世間のイメージでは
「働き方改革=残業が減る」
ということが意味で捉えられがちですが、
それはあくまで結果です。
追求するべきは「生産性をあげる」ことに
他なりません。残業時間が減るのは、
生産性をあげた結果にすぎないのです。
しかしこの「生産性をあげる」ことが、
「今までよりも成果をあげること」と
考えられていないことが、いまひとつ
働き方改革が進まない原因ではないで
しょうか。
今までよりも短い時間で仕事をこなして
いるわけですから、当然「生産性」が
あがったということに安易に結び付けて
考えてしまっていないでしょうか。
ひとつは「成果をあげる=無駄を省く」
という発想になることが問題です。
当たり前に思っていたことの中に、
実は無駄が多い。それは確かです。
誰も必要としてはいない資料を作り
続けていないだろうか?
外注したほうが効率的な仕事がないか?
一人で抱え込み、ほかに誰も業務の中身を
知る人がいないような状態が発生して
いないだろうか?
これらを点検し、慎重に吟味することは
確かに重要です。
しかし、それが成果につながっている
でしょうか。それで浮いた時間を
成果の上がる活動に振り向ける、
ということとセットにならなければ
意味がありません。
無駄を省いたことでそれに費やされていた
労働時間が無くなった結果、働く時間が短く
なっただけに過ぎない。もっと言えば、3人
必要だった仕事が2人でできることが
わかっただけに過ぎない。
本当の働き方改革は、働く人個人個人が
自身の能力を向上させ、達成すべき目標を
これまでよりも高く設定し、その達成の
ために必要な活動に集中できる環境を作る
ことにあります。
その方法として無駄な仕事をなくすのが
有効であるにすぎない。
組織が望んでいることは、社員が早く
家に帰ることではない。社員が自身の
達成すべきミッションを自覚し、それに
コミットすることを求めています。
その覚悟がない社員は求められていない。