サラリーパーソンの読書離れは顕著である。
1カ月に1冊も本を読まない人が半数
近くになり、1冊は読むという人でさえ
4人に1人という状態だ。
1日に30分だけでも本を読めば、月3冊は
読める計算になるのに、この結果はあまりに
問題ではないだろうか。
計算はこうだ。
日本人の平均的な「読むスピードは」
500~600字程度である。
各出版社から出ている「新書」,を例にとると、
1ページあたりの文字数がだいたいこれと同じ
なので、30分かければ30ページほどは読める
計算になる。
新書はおおよそ200~250ページぐらいなので、
少なく見積もっても、7~8日で1冊を読み終える
ことができるはずだ。
このペースなら、通勤の間を読書に充てる
だけでも月3冊ぐらいは本が読める計算になる。
人の知識やスキルの多くは「読んだもの」によって
作られている。学生時代の教科書や参考書はもちろん、
取得した資格も個人的な趣味のことも「読む」ことに
よって必要なことを吸収し、学ぶ。
知識やスキルの獲得に本が必要だとは思えないという
意見もあるだろう。新聞や雑誌、テレビやネット、
人の話からも得るものはあるだろう。
しかし、本を読まずしてビジネスで成功することは
ないと言っていい。成功している人で読書家でない
人はいないという証言は多数あるし、事例も
たくさんある。
マイクロソフト創業者ビル・ゲイツは個人図書館を持ち、
年に数週間は本だけを読む時間を持つ。
フェイスブック創業者のザッカーバーグは、FB上に
ブッククラブを持ち、感銘を受けた50冊の本を
公開している。
年収が高い人ほど読書量も多く、一説には一般の
サラリーパーソンの300倍以上だと言われている。
本を読むことがビジネスマンとして必要不可欠
なのは、もはや理屈ではない。そういうものなのだ
というしかないのである。いくら言葉を尽くしても
必要性を感じない人がいることも確かだ。
本を読まなくても生きてはいける。だが確実に
人生が豊かになる。すぐに役立つ知識やスキルが
書かれている名言集やハウツー本でもない限り、
すぐには目に見える効果があるわけでもないが、
いざというときに必ず身を助けてくれる。
そういうものだと感じ、だまされたつもりで
実行に移すことができる人にはいいことが
待っているはずである。