誰にでもある本当に大切な「働くこと」 Vol.7「文化との衝突」


どんな企業・組織にも独特の文化がある。

風通しがよく、家族のように仲が良く

人間関係での大きなトラブルも起こらない。

そんな、誰でも簡単に溶け込め、受け入れて

もらえそうに見える企業・組織であっても、

必ず「独特な文化」を持っている。

 

もし「ウチはそんなことはない」という

人がいるとしたら、それは長期間、中に

いるために感覚がマヒしているだけだ。

組織の常識が「世間の非常識」である

ことに気づくことができなくなっている

だけである。

 

働く人にとって最も気になるのであるが、

容易につかむことができないのが、この

「組織の文化」である。自分の性分と

合わない文化を持つ組織に入ってしまえば、

取り返しがつかないからだ。

 

一人の力で組織を変えようなんてドラマや

小説でもなければあり得ない。幻想だ。

我慢するしかない。だが現実的には、

なんとか組織に馴染もうとはするものの、

結局はうまくいかず、数カ月から長くても

数年で転職することになるだろう。

 

体育会系だとか、残業礼賛だとか、

経費にうるさいとか、規則でがんじがらめ

だとか・・・これらの、外部からはうかがい

知ることが難しく、退職の原因になりうる

組織文化は挙げればきりがない。それに加えて

感じ方には個人差があるため、客観的な評価も

期待できない。

 

そういう意味で、組織の文化は

「入って自分で体験してみなければわからない」

という賭けの部分もある。これを読み間違い、

短期間での転職をする羽目になった経験は

私にもある。

まったく自分の「性分」に合わない場合、

馴染もうとすること自体がストレスだ。

さっさと転職をすることが最善だと思うし、

実際にそうした。組織文化は強敵である。

 

こういうことが起こるのは、事前に知りえる

組織文化に対する情報が圧倒的に不足して

いるからである。しかしこれは当然だ。

なぜなら、組織の中の人にとってはそれが

当たり前のことで、言うまでもないことだ

という認識だからだ。

 

入社する前の人に

「ウチはこんな、少し変わった文化を

持っています」と伝えておかないと、

文化の衝突が起こることなのだという

認識すらないのである。

 

だからこそ、自らの組織が持っている

「独特な文化」はどんなものなのか、

自己診断することが重要である。

そこでつかんだことを、積極的に伝えて

いくことで文化の衝突はかなり防げる。

 

どうやって自己診断するのか?

そのためには、長く組織にいる人はもはや

認識できなくなっているから、カギとなるのは

最近転職してきた人や、数年で退職していった

人たちだ。そんな「まだ組織に染まり切って

いない」人に訊くことしか方法はない。

 


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