部下や同僚と分け隔てなく接することは
不可能である。人物や能力には差があるし、
仕事上での自分との距離もそれぞれ違う。
同じように扱うことには無理があるし、
そうすべきではない。
とはいっても、能力が低かったり、仕事上で
関わりがない人を邪険に扱う必要はない。
余計な敵を作ることは避けるべきだからだ。
しかし、優秀な人、協力関係にある人を
大事にすることを通じて、そのことによって
嫌われてしまうのは避けることはできない。
だれからも嫌われないように、あるいは
不満を持たれ敵を作らないようにするために
心を砕きたい気持ちはわかるが、無理である。
万人に好かれる人はいない。もしいたとしても
それは「どうでもいい」存在の人であり、あえて
嫌う必要がないだけのこと。好き嫌い以前の
問題であり、視界に入っていないだけである。
何らかの能力を持ち、優れた仕事をする
人というのは、誰の視界にも飛び込んでくる。
否応なしに、好き嫌いの判断を人に迫る。
仕方のないことだ。
誰かに嫌われてるのではないか。
疎んじられているのではないか。
そんな心配をする必要はない。
そういう気配を感じたら、ほぼ間違いなく
あなたは嫌われている。しかも一人では
ないであろう。複数から嫌われている。
しかし、恐れることはない。
人に「好き嫌い」の判断をしてもらえる
だけの能力を、あなたが持っているという
ことだからである。
その能力に対し誰かからの需要があり
大切に扱ってもらっていれば、
「えこひいき」されていると、人の目には
映ってしまう。ますます嫌われるだろう。
えこひいきされなかったからといって
そのことを自分の能力が足りないからだ
と受け止めず、ただ不満に思うだけで
なにも行動しない人はそれまでである。
もちろん、能力以外のことでされている
えこひいきを真剣に受け止める必要は
ないが、能力がある人はえこひいきされるし、
能力がある人に対してはえこひいきをして
しまうものであるという事実は受け止め
ねばならないと思う。
そして、このえこひいきを通じて、
能力がある人、自分と仕事をしていく
うえで必要な人を周囲に集めることが
できる。そして、自分の能力に関しての
評価を読み取ることもできる。