誰にでもある本当に大切な「働くこと」 Vol.21「時間泥棒との闘い」


時間がなによりも貴重な資産であるという

ことを理解していない人は多い。

平気で人の時間を奪っていることに気づいて

いない人は、さらに多い。

働くということは、そんな「時間泥棒」との

果てしない闘いである。

 

自分がやるべき仕事を完了させる

「期限」を明示しない、あるいは

曖昧にするのはその典型である。

 

作成すべき資料、提案に対する回答、

面接結果の通知などに対し

「後日お知らせします」

「わかり次第連絡します」

となどと伝えるのが、時間泥棒の多くが

取りがちな態度である。

 

期限を設けずに行う仕事には終わりが

来ることは少ない。それに加え、相手の

立場と仕事の進行に与える影響に配慮

するなら、明確な期限を伝えることは

最低限のルールである。

 

それを守ることが、様々な事情からできく

なることもあるだろう。仕事の進め方や順序に

見通しがつきづらいため、期限を設けることが

難しい場合もあるだろう。

 

それでも、期限を設けない、あるいは曖昧に

してはならない。なぜなら、前者の場合は、

遅れそうならそのことを改めて連絡すれば

済むことだし、後者の場合なら、長めの期限を

設定しておけばよいことだ。

 

配慮すべきは、自分の時間を優先する

ために相手の時間を犠牲にしないように

することだ。相手の時間を犠牲にした

うえでする仕事には価値はない。

 

この点では「お役所仕事」と揶揄される

公的機関の仕事には、一方的ではあるが

厳守すべき「期限」が必ず設けられている

という点では優れた仕事である。

 

税金の納付期限をはじめとして、各種の

手続きや請求の期限はきちんと明示され、

公開されている。それを過ぎれば原則として

応じてはもらえないだろうが、そのことに

対し「お役所仕事」と攻撃するのは筋違いだ。

 

公開された期限の直前には手続きや請求の

数は急増するが、期限前であればそれにも

役所はきちんと対応してくれる。自分たちの

時間よりも我々国民の時間を優先してくれて

いるのである。期限に遅れたのに対応しろと

いうのは、自分の時間のために相手に時間を

犠牲にしろと迫ることだ。これは罪である。

 

なぜ罪なのか。それは、お金や物と違い、

時間を返すことは誰にもできないからだ。

自分の都合で相手の時間を失わせた場合、

それを償うことはできないからである。

 

そのことに気づかない時間泥棒が、期限を

明示せず、自分の時間を犠牲にするのではなく、

相手の時間を犠牲にすることを平気でやるのだ。

唯一の解決方法は、そんな時間泥棒とは一緒に

仕事をしないことである。それ以外に方法は

ない。