働きたくなる職場とは Vol.11「知に価値を認める」


働く人に支給される給料は三つの

部分に分けることができる。

 

1つは、働く人が明日も働ける準備を

するために必要なお金である。

衣食住を確保し、趣味やレジャーをして

リフレッシュし、元気に出勤できる状態

であるようにするために使われる。

 

2つ目は、将来の労働力を生み出すために、

結婚して子供を産み育てるためのお金だ。

労働力の再生産といっていい。そうしないと

国や社会の継続ができなくなる。

 

3つ目が、労働力としての価値を維持向上

するために必要なお金だ。

新しい知識や技術は日進月歩で登場する。

勉強して吸収していかないと十分な仕事が

できなくなる。そのために本を買ったり

講座・セミナーに参加するために使う。

 

1番目の「暮らしの維持」もままならない

くらいの給料しか得らえないのが貧困だ。

6人に1人の子供が貧困に陥り、食事も

給食以外には十分に得ることができて

いないと言われている。重大な社会問題だ。

 

2番目の「結婚・子育て」ができない

ほどしか給料がない人が多いことが、

少子化につながっている。

 

企業・組織は1番目と2番目に使われるに

十分な給料を支払うことが義務である。

そうしないと働く人そのものの数が

少なくなってしまい、人手不足で倒産

することにつながる。

 

それは果たしているとしても、3番目の

「労働力としての価値の維持」に対して

お金を支払う意思のない企業・組織は多い。

社員の自助努力に任せ、社員研修や教育に

お金を使うことを渋る。

 

これまではそれでもよかった。

働きが悪くなった社員を抱えていたと

しても、代わりの社員を雇い入れる

ことはそれほど難しくはなかった。

パートやアルバイトなら比較的簡単に

見つかったし、派遣社員も使えた。

 

しかし、人手不足がこれだけ深刻に

なると、社員の補充はままならない。

パートやアルバイトも時給をあげないと

集まらない。派遣社員も3年の縛りがある。

 

社員が能力を向上させ、人一倍の仕事を

することができるように援助することに

よってしか、人手不足状態を解消する

方法はないといっても言い過ぎではない。

 

今いる社員に、今以上に働いてもらう

しかなくなっている。そのために、

社員の労働力としての価値向上のために

教育研修に今以上にお金を使うことが

重要なのである。

 

社員は勝手に育たない。それなりのお金と

明確な意思をもって、育てていかなければ

ならない。


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