「卒業」時代の人材採用 Vol.3「仕事に人をつける」


ある特定の社員だけに特定の仕事を

抱えさせてはならない。そんなことを

すれば「人に仕事がついた」状態になって

しまい、その仕事がほかの社員にとって

ブラックボックスとなる。

 

そういう状態は健全ではない。社員は短い

期間で、たとえば数年単位で入れ替わって

いくことを前提として「仕事に人をつける」

ようにしなければならない。

 

ある仕事ができるのが特定の社員だけで

ある状態は、その仕事が難しく、特殊な

スキルがないとできない仕事だからで

あることはまれである。そうではなく、

単純に「担当業務」がないと雇用が危うく

なるという思いからである。

 

つまり、自分の仕事をいつでも代わりに

できる人がいるという状態になれば、

自分が必要ないと思われるかもしれない

のが怖いのである。だから業務を抱え込み、

他人に手を触れさせず、頑なに守りに入る。

 

こうすることで、

「自分にしかできない仕事」ではなく

「自分しかやったことのない仕事」を

作って生き残りを図っているのである。

 

こういう状態では、企業・組織も働く人も

お互いに不幸である。企業・組織にとっては、

何かの事故でその人が突然いなくなったら

業務に支障が出るというリスクがあるし、

働く人にとっては、その同じ仕事ばかり

していたのではスキルアップが難しくなる。

 

仕事に人をつけるには、一定の時間での

ローテーションとマニュアルが必要だ。

担当業務という考え方は存在しない。

ある特定の人以外、だれもやったことが

ない仕事を作らないことが重要で、

仕事の抱え込みを許さないことだ。

 

たとえメンバーの誰かが突然いなく

なっても、代わりのメンバーがすぐ

カバーに入れるようにしなければ

ならない。

 

今の時代は、一つの組織でずっと働こうと

考えている人のほうが少ないということ。

そして、成長し学べる機会を得ることが

できない組織からは人は離れていって

しまうこと。さらにいえば、合わない仕事に

我慢して従事するという考え方は過去のものに

なりつつあること。これらを直視しなければ

ならない。

 

仕事に人をつければ、人は「やったことのない」

「新鮮な気持ちで」取り組むことができる仕事に

出会う機会が増える。それを前向きにとらえる

人こそ、企業・組織が応えるべき人材である。