「卒業」時代の人材採用 Vol.8「忠誠を求めない」


今の時代は二足の草鞋を履くべき時代である。

1つの組織にだけ属し、給料明細を1枚しか

持たないことはリスクである。複数のお金の

入り口を持つことは、もはや当たり前である。

 

にもかかわらず、多くの企業・組織が

副業を禁止したままだ。やれ業務に支障が

出るだの、やれ規律が乱れるだのと様々な

理由をあげて、社員に「ウチの会社だけに

忠誠を誓え」という姿勢を崩さない。

 

このような企業の叫びは空しく響くだけだ。

真面目にご奉公しておけば、組織がいついかなる

ときであろうと自分を守ってくれると考えている

「おめでたい」人など、もうどこにもいない。

必要な時には、組織は自分を簡単に見捨てる。

そう考えている。

 

だからこそ、自分の身は自分で守るしかない。

そのためになら、たとえ企業・組織への不満が

なくても、自分を育ててくれた企業・組織に

感謝でいっぱいであっても、自分のキャリアの

ために「卒業」を選択するのに躊躇しない。

それが、今の時代に働く人の姿である。

 

たとえ「卒業」するのではなくても、組織に

所属したまま、いつか違う道を歩むための

探索をすることは多くの人がやっている。

異業種交流会に参加したり、勉強会や

ボランティア、サークルに顔を出したり。

所属している企業・組織の外での活動を

積極的に行う人は多い。

 

結果的に、その活動が大きくなって

副業のような形になることも増える。

そちらを本業にすることもあるだろう。

それをいま「たまたま」所属している

だけに過ぎない企業・組織が阻止する

こと、それをやりたいのならウチは

辞めてもらうと宣告する。そのことに

いったい何の権利があってのこと

なのか、理解に苦しむ。

 

その副業で培った知識やスキル、あるいは

人脈が「本業」にいい影響、効果をもたらす

ことを歓迎しない理由があるだろうか?

毎日決まった人と顔をあわせ、同じような

話をしているような環境で、なにか新しい

こと、アイデアが生まれるとは思えない。

 

副業は、所属する企業・組織の「外の世界」

から刺激をもらい、それを本業に活かす

ためにも、持つべき世界なのである。

それを「忠誠」の名のもとに禁止する

ことは、間違いなく愚行である。