自分の成長を第一に考え、必要とあれば、
不満がなくても企業・組織を去って次の
ステージを目指す「卒業」志向の人たち。
この人たちは「誰と一緒に働くか」という
ことも非常に重視する。
朱に交われば赤くなるというが、置かれた
環境によって人は大きく影響を受ける。
その大部分を占めるのが周囲の人間関係、
つまり「誰と一緒に働くか」ということだ。
その環境は、たった一人の人間によっても
大きく左右される。ある日、やってきた
新入社員や転職者によって環境がガラリと
変わることもよくある。そして、多くの
場合、受け入れる側がその「新入り」と
その日が初対面である。
ある日突然やってきた初対面の人と、
職場でうまくやっていくよう強制される。
しかも、その人選には全く関与させて
もらっていないにも関わらずだ。
このことに多くの人がいら立っている。
それを解消するのが「採用オーディション」
である。採用候補者を受け入れる側全員で
オーディションするのだ。その選考基準は
「一緒に働いていけそうか」ということ
のみである。つまり好き嫌いだ。
オーディションに参加するにあたって
「審査員」に訓練は必要ない。ただ
採用候補者と会い、したければ質問をし、
なければ話さなくてもいい。事前に
履歴書・職務経歴書も見なくていい。
オーディション終了後は、受けた印象を
正直に話せばいいし、なぜそう思うのかの
説明もいらない。直感でいい。
一緒に働く人を選ぶ権利はだれにでもある。
嫌な人を拒否する権利ももちろんある。
そのことに配慮するのなら、採用プロセスに
「利害関係者」にできるだけ参加してもらう
ほうがよい。採用候補者にとっても、
「どんな人と働くか」を事前に知ることが
でき、合いそうになく人間関係がうまく
いかなさそうが人がいるとわかったなら
辞退ができる。メリットがある。
しかし、人事部門ではない社員が専門的に
面接をしようとするとハードルが高く
なってしまう。そして、考えているよりも
面接は難しい。多くの場合、乱暴な言い方を
すれば、最後には「好き嫌い」で判断している、
そんなケースがほとんどだ。
ならば、はじめから「好き嫌い」によって判断
してもいい、そう割り切ってしまうことのほうが
いいのではないか?それにぴったりな選考方法が
オーディションだ。
「一緒に働いていけそうか」という判断は
直感的なものだ。言葉で説明ができなくても
波長が合いそうだ、いい人そうだ、という
感覚は誰もが持つ。
このことは理屈で説明はしづらい。
そんな点にも、オーディションなら
対応可能だ。