「卒業」時代の人材採用 Vol.13「顧客満足度」


顧客満足度を重視しない企業はない。

近年の人手不足をうけて、従業員満足度を

考えない企業も少なくなっている。

 

だが「新入社員満足度」に対して心を

砕く企業・組織がまだまだ少ない。

それがよく表れるのが、入社初日の

対応である。

 

・入社初日に直属の上司が出張で不在

 

・パソコンはあるがパスワードが

わからないので、IT部門に自分で

問い合わせをしなければならない。

 

・オフィス用品の準備に不備があり、

不足しているものをオフィス内から

自分で探してこなければならない。

 

・広いオフィス内のどこに何があるかの

案内もなく、だれに聞けばいいのかも

わからない

 

・社内の各部署へのあいさつ周りどころか、

同じ部署の人への紹介すらない。

 

これらはすべて、私が就職したり転職

した企業で体験したことである。

 

このようなことがあって感じたのは

「自分は本当に必要とされて採用

されたのだろうか?歓迎されて

いるのだろうか?」ということで

あった。「新入り」はどこでも

苦労するものだが、それが仕事

そのものに取り組む「前の」段階

でのことである必要はない。

 

このような状態にもかかわらず

「入社したあとは自分で努力せよ」

「ウチの方針に従い、早く水に慣れよ」

と言わぬばかりに、大したケアもなく

放置する。これでは早期退職を助長

しているといわれても仕方がない。

ある程度の「お膳立て」をするのは

受け入れる側の義務である。

 

採用するまでは、求職者を「顧客」の

ように扱い、言葉遣いも対応も丁寧だ。

入社して一定期間が経過したら、従業員

として扱われ、退職者が出ないよう

賃上げや福利厚生を充実して満足度向上に

努める。

 

しかし、入社したばかりの人に対する

「気配り」「歓迎」が十分でなく、それが

早期退職につながるケースが非常に多い。

釣った魚にエサをやらないの例え通りだ。

転職者の受け入れにもっと気を配り、

スムーズに溶け込み、定着ができるよう

サポートすることが必要だ。

 

人手不足に悩む企業は、退職者の多さで

悩む企業でもある。新卒新入社員の離職率の

高さはここ30年間も「3年で3割」が定着して

いるが、それと同じくらい転職者の離職率が

高いことも深刻である。

 

その点にしっかり注目して対応していく。

なにも難しいことではない。新しい場所に

入っていく人がなにを心配し、不安に思い、

どんな助けを必要としているか。そのことに

心を砕けばよいだけだ。そのサポートが

適切なものであるかさえ二の次だ。

心配りが十分でさえあれば、それでよい。

 


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