多くの企業では、一度不採用にした人の
再応募に難色を示す。半年~1年という
一定期間経過していないと認めない
ところが多い。しかし、そのような
「上から目線」は一刻も早く改めるべきだ。
このような規定をもうけるのは、そもそも
再応募があるという前提にたっているが、
それ自体が「思い上がり」ではないか。
このご時世、人手不足で求人はたくさん
あるという事情を抜きにしても、まるで
「一定期間たったら少しは成長している
だろうから、まあ、もう一回チャンスを
やってもいいよ」と言わんばかりの
「一定期間再応募禁止」がある企業に、
誰がいつまでも興味を示すと思うのだろうか?
不採用になり、その理由も明かされず
「ご活躍をお祈り」されるだけの
邪険な扱いをされた企業に、また応募
する必要性など感じないのが普通では
ないだろうか?
求職者は履歴書・職務経歴書を用意し、
時間とお金を使って、何度も面接に足を
運んでいる。それなのに、不採用になった
理由も明かされず、どこがいけなかったのか、
どこがダメだったのかがなにもわからない。
チャレンジしたのにそこから何も学ぶことが
できず、次に活かすべきなにものも得られ
なかったとき、ひとはそれを何と呼ぶか?
それはただの「徒労」である。
そんな扱いを受けた求職者が、また応募
してくると思うことの根拠はなんであろう?
多数の応募があるからか。人気の就職先として
名前があがっているからか。過去にも再応募が
たくさんあったからか。
いずれにしても、そのようなことは、時間が
たてばどれも「あの時は良かった」となる
ことは必至だ。銀行の就職人気ランキングの
急降下を見るまでもなく、それは明らか。
いつなんどき「流れ」が変わるかは誰も予想
できないし、いったんできた「流れ」を
押しとどめることは不可能だ。そうなって
からでは遅い。
不採用にした人の再応募は、いつなんどきで
あっても認めるべきだ。しかし、無条件で
認める必要はない。前回不採用になった
その点を改善できているということを示せる
のであれば、という条件を付ければいい。
もちろん、その前提として企業・組織が
「不採用にした理由」を明らかにする
ことが必要ではあるが。その点を改善した
ということを求職者が示せるのであれば、
その機会として「再応募」を歓迎する。
人は成長する。そのために必要な期間を
企業・組織が一方的に半年とか1年とか
勝手に決めるのは傲慢である。