「卒業」時代の人材採用 Vol.14「個人的つながり」


数年単位で企業・組織を移っていく

「卒業」時代には、個人的つながりを

どれだけ多く持っているかが重要に

なってくる。つまり人脈だ。

 

ある企業・組織に所属している間に

外の世界との接触を多く持ち、常に

人脈を維持・更新していくことが

死活的に重要になってくる。

 

次の場所を見つけるのは、この人脈の

中から見つけることのほうが簡単だ。

強い人脈があれば、転職サイトを見たり

人材紹介会社に依頼したりして応募する

ような「イチから」段階を踏むことは

必要なくなるし、そのほうが多くなる

だろう。

 

ある企業・組織に所属している間において、

その企業・組織内の人としか付き合いが

ないような状態にある人ほど、これからの

時代は不利になるだろう。

 

つまり、人脈による紹介で企業・組織に

入るすべを持たない人が「仕方なく」

転職サイトを見る羽目になる時代に

なるのではないか。そして、社員による

紹介で人材を獲得するすべを持たない

企業・組織だけが求人広告を出す時代に

なっていくのではないか。

 

このような社員による紹介によって人材を

獲得していく手法を「リファーラル採用」

というが、まだまだ少数派だ。その理由は、

社員が組織の外に人脈を持っていることが

少ないからではないだろうか。つまり、

紹介したくても「紹介できる人を知らない」

からではないだろうか。

 

それもそのはずだ。いまでこそ働き方改革、

副業解禁など、働く人が「外の世界」を見る

機会と時間が確保されつつあるが、これまでは

そうではなかった。企業・組織が、そのような

活動をすることに対してにいい顔をせず、監視

さえしていた。

 

働く人の側にも、余暇や個人的な趣味による

人脈が役に立つという認識も、組織に属しながら

別の働き方を模索することの必要性も認識されて

いるとは言えなかった。

 

このような状況では、社員が知る人は

転職経験がある人なら過去に所属していた

企業・組織で知っている人ぐらいになるし、

そうでない人は学生時代の同期や先輩後輩

に限られてしまう。どうしても広がりが

少なくなってしまう。

 

人脈による転職、社員による人材獲得に強く

なるために、社員の個人的なつながりを持つ

活動を奨励し、そのための資金も出す。

それくらいのことをして初めて、企業・組織に

とって活用できるネットワークができあがる。


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