「卒業」時代の人材採用 Vol.15「副業先として」


社員が副業をすることを認めている

企業・組織は全体の3割程度だという。

なかなかの数字だと思うが、これでも

一歩遅れている。残りの、社員の副業を

認めていない7割は二歩、遅れている。

 

「卒業」時代の人材採用に生き残るために

企業・組織が考えるべきなのは

「自らの企業・組織に、副業をする

人を受け入れるために何をすべきか」

である。これがスタートラインである。

それも早急にだ。そうしないと、

人材不足、人手不足は一向に解消しない

だろう。

 

これからの企業・組織にとって死活的に

重要になるのは「副業先としても選んで

もらえるように何ができるか」を考える

ことである。これまでのように「生活する

ための収入を稼ぐことのできる働き先」

として選んでもらうことだけを考えて

いたのでは立ち行かなくなる。

 

もちろん簡単なことではない。なぜなら、

パートタイムやアルバイトを受け入れる

ことの延長線上で「副業をする人」を

考えていては体制が整わないからだ。

副業をする人を受け入れるのであれば、

「副業者専用の受け入れ体制」を整える

必要がある。

 

確かに、どちらもフルタイムで働くの

ではないことでは共通している。

しかし、働き方に対する意識はまるで

違うのである。

 

パートやアルバイトは時間給で働いている

から、どうしても働くことを時間によって

評価し、される発想から抜け出せない。

それはつまり、時給が少しでもいいところで

働きたいし、できるだけ重労働ではなく、

自分の都合に合わせて「ラクに稼げる」ことに

目が行きがちだ、ということだ。

 

しかし、副業をする人はこうした時間給

思考とは無縁である。それどころか、お金の

ことを考えて働いているのですらない。

ほかに目的がある。それは何かというと、

「自分の成長に寄与するか」

「人脈が作れるか」

「学ぶべきことがたくさんあるか」

これら「お金以外」に得られることが

どれだけあるかという環境を重視して

働くのである。

 

これらの「環境志向」で働く人が魅力に

感じるように、体制を整えなければ

ならないのである。

 

これが簡単でないのは、働く人が

「給料がよく」「休みが多く」

「福利厚生が充実している」などの

直接的な、お金に関するメリットに

よって動かされるという発想とは

真逆だからである。

「人手不足解消のためには賃上げを

やむなし」という発想では、まったく

対応できないのである。

 

働く人が本当は何のために働いている

のかに真摯に目を向け、謙虚に耳を

傾け、理解を示し、知恵を絞ることが

重要である。