人材採用に有利な環境づくり VOL.1「ハラワリ」


人材採用ができるかどうかは、給料が高い、

休みが多いなど勤務条件が良いことには

関係がない。ましてや企業規模や知名度

には一切関係ないと断言できる。

 

採用担当者の力量によって、そして企業として

人材採用に真剣に腹をくくって取り組み、

求職者の想いに寄り添う努力をすれば、

十分に不利な条件を跳ね返すことは可能だ。

 

そのためにまず必要なことは、求職者と

「腹を割って」話をすることである。

多くの企業は、求職者とまともに

向き合っていない。そのため、求職者が

求めること、知りたいことに対しあまりに

無頓着になっている。結果、人材採用が

できないのである。

 

求職者が求めているのはお金と休みに

違いないと一方的に決めつけて

「頑張り次第で稼げる」

「休み多くて働きやすい職場」

「残業一切なし」

などと、「働く意義」「やりがい」に

関して一切触れない求人広告を出す。

 

それを伝えれば、求職者が入社を躊躇

するだろう「欠点」については、質問

されるまで伝えることはない。まして

そのような質問をする求職者を

「可愛げがない」と考える

 

不採用通知は理由の記載はなく

「お祈りメール」で済ます。

たとえ求められても法律を盾に

回答を拒否する。

 

このような対応のうち、すべてではなくとも

どれかをとっている企業がほとんどでは

ないだろうか。特に不採用理由については

伝えない企業がほとんどであろう。

 

たしかに、法律上も企業は求職者に対して、

開示を求められたとしても不採用理由を

答える必要はない。逆に、求職者が選考や

内定を辞退する理由も明らかにする必要も

ないのだが、そんな法律を持ち出すのは

悲しくないか。一度は選考過程で顔を合わせ、

縁があれば一緒に働くことになったかもしれ

ない、人間同士の間に持ち出すことは。

 

上記の他の二点も、求職者と向き合って

想いに寄り添うならば、疑問に思って

しかるべきことである。

 

求職者が求めるのはお金と休みで、つまり

「楽して稼げる」ことだけなのか?

そうだとして、そう考えている人を

採用し、一緒に働きたいのだろうか?

 

入社すればすぐにわかることを隠して

入社させるのはなぜか?そうしないと

人が採用できないからか?結果として、

隠したことが原因で早期退職になったら

元の木阿弥、お互いが不幸ではないか?

 

これらのことが起こるのは、採用活動の目的を

忘れているからではないか。企業は人が足り

ないからとりあえず頭数が欲しい。

採用担当者は会社から早く採用しろと矢の催促。

結果として採用そのものが目的化してしまう。

 

採用はあくまで手段である。企業を支え、

発展させていくためであり、必要な人材を

採用することであるのを忘れてはならない。

そのために必要なのは、目の前の求職者と

「ハラワリ」して話すことであり、お互いの

望むことがマッチするかどうかをしっかり

確認することである。そのうえで採用を

決定しなければならない。

つまりは、求職者との対話である。

 


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