退職した企業にもう一度職を得る
「出戻り社員」が増えているという。
働く側、企業側双方にメリットがあり、
なおかつ人手不足、人材難を迎えた現在、
人材確保の一つの方法としても有効だ。
これから定着していくであろう。
働く側、企業側双方にメリットとして
まず挙げられるのが
「入社後のギャップ」
「早期退職問題」
に対処できることである。
出戻り社員はかつて働いていたのだから、
企業文化や内部事情がわかっている。当然
「こんなはずじゃなかった」とギャップを
感じて早期退職になる危険が少ない。
かつての同期や同僚もいるから、ブランクが
ある分だけ時間はかかっても、スムーズに
企業の水に慣れることができる。
新卒や転職者のようにまったくの「よそもの」は、
少なからず企業文化や決まりごと、慣習に戸惑いを
感じるものだ。「郷に入っては郷に従え」と言い、
「新入り」は慣れる努力をしなければならない。
しかし、それら「とまどい」がだんだん大きくなり、
折り合いをつけきれなくなる人も出てくる。
やがて「失望」に変わり、早期退職につながる
ことが多いのも事実である。
早期退職者が出ることは企業にとっては
大きな痛手である。採用にかかった時間と
お金が損失になるばかりでなく、他の社員が
受け入れのために使った時間や労力もムダに
なるためである。骨折り損のくたびれ儲けだ。
しかし「企業文化等」の危険をわかっては
いてもなかなか対処が難しいのが実態だ。
なぜなら、組織の内部にいる人にとって、
それら「企業文化等」が外部からどう見られるか
認識しづらくなっていているからだ。
つまり「当たり前で何の問題もないこと」と
しか思えないから、問題として感じられる
こともない。
さらに、企業文化等は企業・組織に染みついて
しまっている場合も多く、根が深い。すぐには
どうにもならず解決が困難である。つまり、
「イヤなら辞めてもらうしかないね」という
種類のことである。
だからこそ、その問題がはじめから解決
できている「デモドリ」社員を迎え入れる
ことは人手不足解消、人材難の解決法として
有効なのである。
「デモドリ」社員がいることはもう一つ
大きなメリットがある。それは「デモドリ」
したくなる企業・組織なのだという良い
イメージがつくことだ。働きやすく社員を
大切にする企業・組織なのだろうと考えて
もらうことができ、人材採用活動に有利に
なるであろう。