面接官に向かない人々 Vol.1「異なる意見を受け入れない」


面接官に向かない人々の筆頭は

「異なる意見を受け入れる用意がない」

ということである。

自らの価値観や意見と違うことを言った

というだけで、評価をしないばかりか

求職者に対して礼を失する態度を取る。

言語道断である。今すぐ、採用担当から

外れるべきだ。

 

人材採用コンサルタントをしていると、

相談者の中にこういう人が少なくない

ことに気づく。憂慮している。

多様な人材を採用し、企業の発展に貢献

することが採用担当者の務めである。

自らの価値観や意見と合わないからと

いう理由だけで評価を下してはならない。

 

先日も、そういう人に遭遇した。

オンライン相談を受けていた時のこと。

私が話したことに納得がいかなかったので

あろうが、相談時間を一方的に短縮した

ばかりか、私が話している途中にも拘わらず、

勝手にオンライン接続を切断して相談を

打ち切られてしまった。

 

一瞬、ネットの接続状態が悪くて回線が

途切れたのかと思ったが、違った。

相談者がみずから接続を一方的に

切断したのだ。

「あなたの話はもう聞きたくない」ので

「お金は払うからもう話は終わりだ」

と言わんばかりだ。唖然として、しばらく

言葉を失った。

 

自分とは異なる意見を受け入れないばかりか、

聞きたくないとなればボタン一つでシャット

アウトできてしまう。

匿名で誹謗中傷を書き込み、関わりたくない

人の意見は見ないで済むようにブロックする。

そんなことが簡単にできてしまうのがネット

の世界である。

 

だからといってそれをするかどうかは個人の

見識によるところ。良識を持った人ならしない

ことだが、それを平気でやってはばからない

人がいる。個人の根本性質、いわゆる「性根」

だから変えようもなくもはや手の施しようも

ないが、悲しいことである。かわいそうな人。

救いようもない卑怯者である。

 

だが、それを現実の世界でも平気でする人

がいる。面接官として求職者と面と向かって

いても、それをやる人がいる。目の前に人が

いるのであからさまではないにせよ、すでに

接触を「切断」している。

 

オンラインとは違って、一方的に話を打ち切る

ことはできない。しかしすでに不採用を決めて

いるので、どうでもいい質問をして求職者の

話はすでにシャットアウトしている。

 

もう不採用にするのなら、面接時間を短縮する

ことがせめてもの「武士の情け」である。

 

「こちらからの質問は以上ですが、何か質問は

ありませんか」と水を向け、まだ予定時間まで

間があるが面接を終了するというサインを出す

だけでよいのである。しかしそんな勇気はない。

 

異なる意見を受け入れるつもりもなければ、

話を聞くつもりもないのなら、面接官をする

ことは辞退せよ。それだけが、あなたにできる

ことである。


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