これからの時代、企業はサラリーマンで
一生を終わる人を採用してはならない。
逆説的だが、いつでも独立できるだけの
実力を持つ人材を抱え、現実に独立する
人がいてこそ、組織は発展する。
では、一生サラリーマンで終わりそうな
人材はどんな特徴を持っているだろうか。
第九回のテーマは
「元を取ろうとする」である。
パレートの法則
「80対20の法則」というのを
ご存じだろうか。イタリアの経済学者
ヴィルフレド・パレートが発見したので
パレートの法則とも呼ばれる。
「全体数値の大部分は、全体を構成する
うちの一部の要素が生み出している」
という理論である。この比率が
80:20になっていることから
「80対20の法則」として有名だ。
この法則を当てはめれば、企業の
売上や利益の80%は、20%の従業員に
よってもたらされていることになる。
そしてこのことは、誤解を恐れずに
いえば、80%の従業員は給料分の
働きをしていないということに
なるのである。
働き方改革や生産性の向上には、
この「働いていない」80%の人に
どう対処するかの問題でもある。
少なくとも、自覚してもらわないと
いけないのだが、それも困難である。
「ダニング=クルーガー効果」
なぜなら、人は自己評価を意外と高く
持っているもので、自分の能力が低い
という認識を持つことは困難だからだ。
このことを
「ダニング=クルーガー効果」
といい、能力の低い人ほど自己評価が
高い傾向がある。
つまり、これを働いている人に当て
はめれば、自分のもらっている給料は
正当、もしくは能力に対して少ないと
考えてしまう傾向があるということだ。
それだけならまだいいのだが、
「働いた分の元を取る」ために
給料分を働けばいいと考えている
人は救えない。つまり、自分の仕事の
枠をきっちり決め、その外にある仕事は
一切やろうとしない人は、一生を
サラリーマンで終わるだろう。
与えられた業務をこなすことだけが
仕事ではない。これは理屈ではない。
仕事はお金をもらうためにやるもの
ではあるが、それだけでは仕事に
ならないということが理解できない
人は、採用するべきではない。
仕事が面白くなくつらいだけ。
いやだけどやらないとご飯が食べ
られないとしか考えていない人に
働いてもらいたいと思う経営者は
いない。