これからの時代、企業はサラリーマンで
一生を終わる人を採用してはならない。
逆説的だが、いつでも独立できるだけの
実力を持つ人材を抱え、現実に独立する
人がいてこそ、組織は発展する。
では、一生サラリーマンで終わりそうな
人材はどんな特徴を持っているだろうか。
第十二回のテーマは
「人の失敗に不寛容」である。
間接部門に嫌われる人はダメ
総務人事部門にしろ経理部門にしろ、
間接部門(管理部門ともいう)に所属
している人は割に合わない仕事を
している。
経験者として自分の経験に照らして
みてもつくづくそう思う。
自分を育ててくれたのは総務人事部門の
仕事だと思っているので、こんなことは
言いたくないのであるが・・・
できれば、サラリーマンとしては、
管理部門の仕事は二度とやりたい仕事
とは思わない。少なくとも、私が経験
したような、管理部門への評価方法が
変わらない限りは。
なぜなら、間接部門の仕事は
「間違えない」「誤りを犯さない」
ことが至上命題で、当たり前の
ことと捉えられているからだ。
プラス評価対象とはされていない。
その一方、一度でも間違えたときには
マイナス評価をされる。しかもそれ以後は
きちんと間違いなくやったとしても、
マイナスを挽回できないからだ。
これは、つらい。経験したことがないと
なかなかそのつらさはわからないと思う。
理解されずらいと思っているので、できる
限り間違わないようにしようと、自分の
間違いには管理部門の人間は敏感になっている。
しかし、それでも人間である以上は間違いを
犯すのは避けられない。某ドラマのように
「私、ミスしないので」というわけには
いかないのだ。
それだけに、間違いに関して不寛容な
人のことを、管理部門は嫌う。
ことさらにあげつらい、ミスを責める
人を心苦く思うものだ。許せないとさえ
思っている。間違いを犯すという人間
として当たり前のことを、ミスをした
こちらが悪いとはいえ「そんなに責め
なくてもいいじゃないか」という
気持ちを持ったことが、経験者なら
だれでもあるはずだ。
つまり、自分がやったことがないこと、
経験がないことに対して想像力と
寛容さをもって対処できない人は、
これからの社会で必要とされる
共感力に欠け、それ以上伸びない。
一生、サラリーマンで終わるだろう。