これからの時代、企業はサラリーマンで
一生を終わる人を採用してはならない。
逆説的だが、いつでも独立できるだけの
実力を持つ人材を抱え、現実に独立する
人がいてこそ、組織は発展する。
では、一生サラリーマンで終わりそうな
人材はどんな特徴を持っているだろうか。
第十五回のテーマは
「連絡を密にしない」である。
相手が知りたいことを
知りたいときに
本人にそんな意図はないのであろうが、
仕事の妨げになってしまう人がいる。
それは「連絡」に問題がある人だ。
忘れたり、遅かったり、要領を得なかったり
するのはよくあることだし、経験を重ね、
訓練をし、気を付ければ修正していく
ことは十分に可能だ。
しかし、何をしても直すことができない
「連絡の問題」がある。
それが
「連絡の必要性を感じることができない」
ということだ。
この性質を持つ人がもたらす害悪は、
想像しているよりも大きいものだ。
故意に隠そうとする意図を持っていたり、
悪意をもって事実と違うことを知らせよう
とすることのほうが、まだ罪がないくらい
のことである。
なぜなら、隠そう、騙そうとするのは、
連絡の必要性を感じているからこそ
できることだからだ。そもそも連絡の
必要性を感じない者には、騙すことも
隠すこともできはしない。
共感力の欠如
連絡の必要性を感じることができないのは、
相手が知りたいと思うこと、知りたい時を
感じるという「共感力」に欠けている
からである。
仕事はチームプレーだ。
メンバーの気持ちを敏感に感じとる
共感力を発揮し、自分がやるべきこと、
果たすべき役割を認識することが
できなければ、チームメンバーとして
機能しない。
それどころか、連絡の必要性を感じない
メンバーによって「抱え込まれた」情報や
情勢の変化が存在することになり、致命的な
事態を招くかもしれない。
連絡する必要があるかないか、共感力を
もって的確な判断ができないメンバーを
抱えることはチームの危機である。
この危機を回避する唯一の方法は、
このようなメンバーをチームに加えない
ことである。
連絡の必要があることを「抱え込んでいた」
ことに対して、非があったことを理解できない
様子のメンバーがいたら、すぐに外すことだ。
ずっと同じことを繰り返すだろう。
矯正は不可能だ。