サラリーマンで終わる人を採用しないために Vol.16「訊かないと話さない」


これからの時代、企業はサラリーマンで

一生を終わる人を採用してはならない。

逆説的だが、いつでも独立できるだけの

実力を持つ人材を抱え、現実に独立する

人がいてこそ、組織は発展する。

 

では、一生サラリーマンで終わりそうな

人材はどんな特徴を持っているだろうか。

第十六回のテーマは

「訊かないと話さない」である。

 

訊かれたこと以外、答えない

 

政治家や官僚、経営者、スポークスマンなど、

一つ一つの発言に注意が集まっている人は、

事前に用意した発表事項を話したあとは、

基本的に「想定問答集」として回答を用意して

あった質問以外には答えない。

 

理由は簡単だ。「舌禍」を恐れているからだ。

報道されて批判され、退任・辞任に追い込まれる

事態になった人は、何人も思い浮かぶだろう。

そこまで至らなくても、意図したことと違う

ように解釈され、問題になる場合も多い。

 

これらの人から有力な情報が得られない場合、

問題があるのは質問者のほうだとされる。

情報が引き出せるような質問をしていない、

もしくは、暗に示唆したり言外に匂わせたり

してくれているのに汲み取ることができない。

質問者の力量が足りないのだ。

 

訊かれていないことにも答える

 

しかし、サラリーマンとして企業に勤務

している人の場合、

「訊かれたこと以外は答えない」という

姿勢は重大な問題だ。あってはならない。

もし故意にそのようにしているとしたら、

そのような人物を許しておいてはいけない。

 

質問者の意図を察し、質問されている

こと以外にも答え、質問者にとって

必要な情報を進んで提供することが

必要である。

 

この姿勢があるかどうかは、面接時に

わかる。面接官がその質問によって

知りたいと思っていること、つまり

「意図」を汲み取り、必要だと思う

情報は、質問にはなくても付け加える

ことができる人材を採用する。

 

面接では、質問されていないことまで

答えるのはご法度とされ、嫌う面接官も

多いが、それも場合によりけりである。

 

例えば、ある失敗についてその理由を

質問したときに、その理由について

事実を答えるだけでは十分ではない。

それについて自分がどのように捉えて

いるのか、そしてどのように改善

したかまでを話すのでなければ、

質問に答えたことにはならない。

 

この場合に「余計なこと」になるのは、

例えば、その時には失敗したが成功した

ことのほうが多いと自慢話をしたり、

同僚もほとんどが失敗に終わっていた

などを話しだすことだ。

 

一緒に働く人たちから必要な情報を

得られなかった場合、それが質問者の

問題だとされるなら、組織に問題ありだ。

情報の共有は企業活動、チームで行う

仕事にとっては生命線だ。それが円滑に

行われるのを妨げる「訊かないと話さない」

人を放置してはならない。

 


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