超売り手市場で採用難の時代、企業は
採用に関してあらゆる手を駆使して
取り組む必要がある。
そのためには「応募がない」ことには
始まらないので、この連載では求人に
応募がない時の対処法について具体的に
考えていく。
第二回のテーマは
「退職者にインタビュー」である。
働きたくない職場
身もふたもない言い方ではあるが、
求人に応募がないということは、
求人を見た求職者が
「この会社で働くメリットはない」
と判断したからで、それ以外の理由は
まったくないのである。このことを
まず認識することが重要である。
たまたまだとか、時期が悪かったとか、
求人を出した媒体が悪かったとか。
何かのせいにすることは何の解決にも
ならない。
そのように求職者に感じさせてしまった
原因は様々であろう。
求人の書き方が悪かっただけかもしれない。
本当に魅力がないのかもしれない。しかし、
「働きたくない職場」だと判断されて
しまったという事実は同じである。
理由はどうあれ、「この会社で働きたい」
と少しでも考えてもらうことに失敗した。
まず、この事実を、ありのままに、謙虚に
受け止めることから始めるしかない。
退職者だけが持つ情報
求職者に「この会社で働きたい」と
感じてもらうことに失敗した。この
事実を謙虚に受け止めたのであれば、
次にすることはなにか。
それは、これまでに退職していった人、
そしてこれから退職者がでるたびに、
その人たちに「なぜ退職を決意したのか」
その理由をインタビューすることだ。
退職者は、理由はさまざまであるものの、
この会社で働くことにメリットを感じなく
なったから退職するものだ。
退職する理由は退職者からでないと
引き出せない情報である。現役の社員は、
退職を決意していたとしても決してその
ことを口にすることはない。口にしても
何の利益もないからだ。
その理由を聞き取り、改善できるところは
改善していけば働きやすい職場になり、
結果的に採用しやすい環境ができる。
すぐには改善できることではないのなら、
求人にその点をしっかり説明する文章を
加えれば、入社前のミスマッチを防ぐ
ことができる。
求人に応募がないのは、この会社で働きたい
と感じてもらうことに失敗したということ。
言い訳をするのではなく、退職者からの
意見に耳を傾けることで、解決の糸口が
見えるのである。