超売り手市場で採用難の時代、企業は
採用に関してあらゆる手を駆使して
取り組む必要がある。
そのためには「応募がない」ことには
始まらないので、この連載では求人に
応募がない時の対処法について具体的に
考えていく。
第六回のテーマは
「求める人材像を捨てる」である。
キズがない人材
企業は、いくら優秀でも、経歴に
「キズがある」人を採用したがらない。
転職回数が多かったり、キャリアに
ブランクがあったりすることを嫌う
のがその典型である。
なにも成果を出さない、取るに足らない
人材を採用することよりも、なにか
問題を起こすかもしれない人を採用
することのほうを恐れている。
この人材難、人手不足の時代が長く
続く中で、企業は採用する人の
スペック面でのハードルはかなり
下げている。
年齢、経験の有無、国籍、学歴などを
問わずに採用しようという企業は
増えてきた。もはや、求人に応募が
ないのは、求める人材の理想が高い
からではないだろう。
むしろ原因は「キズがない」ことに
関してあまりハードルを下げていない
ことにある。
事実ではなくその理由を問題にする
転職回数が多い。キャリアにブランクがある。
その事実は変えようがないことだ。やむに
やまれぬ事情があってもなくても、転職回数が
10回あることや、3年間働いていないという
このなどの「見た目」は変わらない。
このようなキズが不利になることは、当の
本人はよくわかっている。実際にそのような
目にあっている。不採用になった理由が
明かされることもないから、ますます疑い
深くなっている。門前払いされることを
恐れて、そうなるくらいなら応募しないで
おこうと自己防衛に走る。
もし、あなたの会社がそんな「キズ」を
気にしないのであれば、求人にそのことを
書くことだ。そして、不幸にも書類選考で
不合格にする場合にも、理由をはっきり
お伝えするという対応を明記する。
そうすれば、応募をためらうことが
なくなるのではないだろうか。
転職回数やキャリアにブランクがある
という事実ではなく、その理由に注目して
選考するのであるということを、しっかり
伝えることが重要である。