超売り手市場で採用難の時代、企業は
採用に関してあらゆる手を駆使して
取り組む必要がある。
そのためには「応募がない」ことには
始まらないので、この連載では求人に
応募がない時の対処法について具体的に
考えていく。
第八回のテーマは
「他社が狙わない層へ」である。
「若手」で「辞めない」人
求人を出しても応募がないようなら、
他社が狙わない層へアプローチする
ことも考えなければならない時期に
来ているのではないだろうか。
多くの企業が望む層としては
「若手で」
「長く働いてくれる人」
であろう。
しかし、もはやそれは考え
直したほうがいい。
採用できればいいが、そのような
「求める人物像」を設定している
限りは、もはや採用は難しい。
どれほどお金をかけ、あの手この手を
使っても、採用するには限界がきている
と考えなければならない。
少なくとも、若い人が何を考え、
働くことに何を求めているかという
ことを把握することなしには難しい。
そして、そのニーズに応えるように
企業側から、働き方や制度を変更して
歩み寄っていかない限りは。
違う穴に挑戦する勇気
では、具体的にはどのような層を
採用ターゲットにすればいいか?
どのような会社にもあてはまる答えは
存在しないが、企業の業種、規模、
覚悟、受け入れ態勢の構築によって
変わってくる。
あえて挙げるなら、
高齢者
中高年ニート
外国人
引退したプロスポーツ選手
元受刑者
などであろうか。
共通するのは、今掘っている穴
(若手で長く働く)を、もっと深く掘ろうと
あれこれするのではないということだ。
潔くその穴をあきらめ、そして、違う穴
(若手でもない、長く働くのでもない)
をイチから掘り始めること。そのように
「今ままでの前提」を変えていく必要
がある。
加えて、遠くない時期に新卒採用も
通年採用に代わり、職種別の採用へと
シフトしていくだろう。毎年4月に、
入社してから適性を見て働く部署を
決めていくという「一括採用」は
通用しなくなる。
採用は、少なからず企業を変えていく
ことを要求する活動である。そして、
変えるべきところと変えるべきでない
ところを見極めるよい機会である。
「当社はこのような会社だ。それを
理解して受け入れられる人しか
来てもらわなくていい。イヤなら
辞めてもらっていい」
このような態度を全く否定する
つもりはない。しかし少なくとも、
働く人の求めるものに耳を傾ける
姿勢がなくては、企業はもはや
存続できない。