超売り手市場で採用難の時代、企業は
採用に関してあらゆる手を駆使して
取り組む必要がある。
そのためには「応募がない」ことには
始まらないので、この連載では求人に
応募がない時の対処法について具体的に
考えていく。
第十回のテーマは
「自社紹介文を作る」である。
働くメリット
「働くメリット」を求人でアピール
するときに、一番避けるべきなのが
「高給」「休みが多い」「残業なし」
「福利厚生充実」のような、
お金や待遇面でのメリットである。
求人を出しても人が集まらない理由は
求職者に、これらのこと以外の
「当社で働くメリット」を十分に
伝えていないためであることが多い。
それができていない求人は「既読スルー」
されることになるだろう。
なぜなら、これらのことは、企業文化や
職場環境がその人に合っていない、望む
ものでない時には、簡単に消し飛ぶ。
些細で、取るに足らないことになる
からである。
仕事のやりがいが感じられず、なぜこの
場所で働いてるのだろう?その理由を
見出せない状態になってしまえば、
いくらお金をもらっていても、休みが多く
残業がなくても、スキマを埋めることは
できない。
さらに言えば、もし埋めることができる
とすれば、さらに高給、さらに好待遇の
企業に転職することによってであろう。
そのような企業に対抗し、人を集め、
引き留るための競争は際限のないもの
になってしまう。
成長や学びが得られる職場
このような「終わりのない競争」に
終止符を打つためには、その企業で
働くメリットとして
「自分の成長につながる」
「この企業で働いたことが将来的に、
長期的に見ればかけがえのない学びを
もたらしてくれる」
そのような点を、求人にしっかりと
盛り込み、アピールすることである。
人生100年時代、AIに取って代わられる、
終身雇用制度の崩壊など、企業で働く人の
環境はますます厳しくなっている。
働く人は、自分の身は自分で守る必要に
迫られており、企業という組織に
「おんぶにだっこ」という状態にある
ことをリスクと感じている。
そこから自分を救い出すには、自分の成長と
学びに資する環境で自分を磨き続けるより
他にない。そのような環境を与えてくれる
企業で働くことに価値を見出している。
つまり、今貰えるお金よりも、将来的に、
長きにわたって稼ぐことができるスキルや
経験を得られる環境を求めているのである。
人を採用しようとする企業は、その想いを
叶えるために行動し、対応し、歩み寄る
ことが重要である。そのために、今までの
企業のありかた、やり方を変えていくという
断固たる行動が求められる。
求人からそのような「気概」を感じる
ことができず、書いてることと言ったら
「高給」「休み多い」「転勤なし」など
耳障りのいいことだけ。中身がなく、
薄っぺらい会社だということは、とっくに
見透かされていますよ。誰も応募しないよ。