「働き方改革」を人材採用に活かすために Vol.1「最低賃金」


働き方改革は、いまや国を挙げての

事業となっています。関連する

キーワードも多くあります。

 

この連載では、関連するキーワードを

ひとつずつ取り上げ、これを人材採用に

活用するための方法について考えて

行きたいと思います。

 

第一回のテーマは

「最低賃金」です。

 

健康で文化的な最低限度の生活

 

最低賃金は、いかなる理由があっても

守られなければなりません。下回る

ことは、憲法第25条に規定された

「健康で文化的な最低限度の生活」

に対する挑戦であると言っていい。

 

憲法に反する法律はすべて無効です。

いわば憲法は「法律の法律」。

最低賃金は最低賃金法に規定されて

いるのですが、もとをただせば

憲法の精神に照らして規定されている

法律だと言えるのです。

 

しかし、これを「給料の額面」だけで

とらえると大きな過ちを犯すことになります。

 

残業代が支払われない、もしくは過少申告を

させることによる「サービス残業」

 

最低保証金額が極端に低いなどの理由により

賃金を低く抑える「出来高払い」の賃金体系

 

フレックスタイムや裁量労働制を利用した

「実質的なサービス残業」

 

これらにより、実質的には最低賃金を

下回るケースがあるからです。

 

このほかにも、会社は定時で退社している

ものの家に持ち帰ってやらざるをえない

「隠れ残業」状態にある場合も含みます。

 

オフィスで仕事をしている時間だけを

残業とカウントされるのでは、たまった

ものではありません。しかし、実際には

多かれ少なかれあるのではないでしょうか。

 

ここで働いて幸せになれるか?

 

最低賃金は、時間当たりの金額、つまり

「時給」を規定しています。アルバイトや

パートなら時給いくらで給与が支払われる

ので分かりやすいのですが、問題は月給を

もらっている正社員等です。

 

長時間の労働に比して金額が安い状態だと、

額面上では「衣食住」には十分な金額で

あったとしても、時給換算したら最低賃金を

下回っている。毎日深夜に帰宅し、炊事洗濯を

する時間も気力もなく、休日も自宅に持ち帰った

仕事をこなさなければならない。

 

こんな状態では

「健康で文化的な最低限度の生活」

ができる状態にないのは明らかです。

そのような働き方では、いくら給料が

よかったとしても幸せになれるはずは

ありません。

 

あの手この手を使い、働いた時間に対して

低い賃金しか支払わずに済むようにしている

のではないか?

労働者からの搾取をることしか頭になく、

そのような働き方を強いる会社でないか?

 

いくら求人には好条件をうたっていたと

しても、そのような観点から、求職者の

厳しい目が光っていることを忘れては

いけないのです

 

この労働者の気持ちに真摯に答えるべく、

働く人の満足、健康、幸福に資する

働き方を提案することこそ、企業に

求められる「働き方改革への取り組み」

に他ならないのです。


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