人材採用活動において採用担当者の
果たす役割は、求職者から見たときの
「企業の顔である」ことです。
しかし、これは二義的なものに過ぎません。
それよりも重要な「第一義的役割」は、
企業が維持発展していくために最重要と
なる資産である「人材」を取り扱うと
いう重責です。
この第一義的役割を果たすために、
人材採用担当者が「あるべき姿」に
ついて連載します。
第一回のテーマは
「求職者を尊敬する」
です。
尊敬に値する人に応募してもらう
現在のような人手不足、採用難の時代には、
求人に応募してきてくれた求職者を丁寧に
扱うことは、当たり前のようにされている
だろうと思います。
求人を出しても採用ができないどころか
応募すらないという状態なのだから、
応募してきてくれた人に優しくなるのは
当然といえば当然のことでしょう。
しかし、採用担当者がするべきことは
それではありません。採用したいとは
思えない、つまり尊敬に値しない人
からの応募が来ないようにすること。
そして、もしそのような人からの応募が
多いような状態であれば、その原因を
徹底的に究明することです。
採用担当者の仕事は応募を集めることでは
ありません。優秀な人材を採用することです。
そのためには、一定のレベルと質を持った人
から応募がくるようにする必要があります。
そうしないと、集まった人の中から
「いくらかはマシな」人材を採用することに
なってしまうでしょう。当たりくじの入って
いない箱からはハズレしか引くことはできない
からです。
なぜ応募してきたのか?
優秀な人材には、必ずと言っていいほど、
尊敬できる部分があるものです。
経歴やスキルはもちろん、立ち居振る舞いや
持っている雰囲気にも違いがあります。
もし、採用担当者として求職者に
尊敬の念を抱くことができないのなら、
そのような人を面接官の前に送り込ん
ではいけません。やるべきことは、
自信をもって面接官の前に送り出せる
人材がなぜ来ないのか、その理由を
突き止めることです。
そのためには、尊敬するところがない
求職者が来たら
「なぜ応募したのか?」
「求人のどの部分に惹かれたのか?」
について質問して確かめることです。
そこで得られた答えが、採用活動を
改善するための重要なヒントになる
ことでしょう。
求職者は、企業にとって最重要の資産
である人材に直結します。企業にとって
欠かすことのできない最重要顧客にも
匹敵するほどです。
尊敬の念を抱いていない人を集めて
しまうような採用活動をしないこと。
そうしないと、採用活動は失敗に
終わることが約束されたような
ものとなるでしょう。