採用担当者かくあるべし Vol.4「外の世界を持つ」


人材採用活動において採用担当者の

果たす役割は、求職者から見たときの

「企業の顔である」ことです。

しかし、これは二義的なものに過ぎません。

 

それよりも重要な「第一義的役割」は、

企業が維持発展していくために最重要と

なる資産である「人材」を取り扱うと

いう重責です。

 

この第一義的役割を果たすために、

人材採用担当者が「あるべき姿」に

ついて連載します。

 

第四回のテーマは

「外の世界を持つ」

です。

 

採用担当者と人事担当者

 

採用担当者の多くは人事部門に所属

しているので、採用活動をしていない

時は人事担当者であることでしょう。

 

しかし、この二つの仕事を両立させる

ことは、殊の外、難しいことなのです。

なぜなら、対象とする「顧客」が違う

からです。

 

人事担当者は「自社の社員が顧客」です。

その一方、採用担当者の顧客は

「将来社員となる可能性がある求職者」

です。

 

多かれ少なかれ、ある組織に所属している

人の思考や行動は似通ってきます。

ムラ社会の住人となってしまい、外の世界と

齟齬を生じさせ、視野が狭くなる。

よく言われる「組織の常識は世間の非常識」

の状態になってしまうのです。

 

人事担当者として社員の気持ちに寄り添い、

働きやすさ、制度の改善など要望を叶えよう

として密に接触すればするほど、「外の世界」

との距離が開いてしまいます。

 

人事担当者として組織の中に目を向ければ

向けるほど、外の世界のことが見えにくく

なってしまうのです。一方で、採用担当と

して相手をする求職者は、まさに組織の

「外の世界」の住人です。

 

良き人事担当者であろうとすればするほど、

良き採用担当者からは遠ざかってしまう。

 

チェイサーとして外の世界を持つ

 

「組織の常識が世間の非常識」という状態。

その調整をするために、社員でも求職者でも

ない「第三の」種類の人々との接触を持つ

ことができる場所を持つことが重要になって

くるのです。

 

それは、私的な勉強会やサークルでもいいし、

釣りや将棋、ダンスなどの趣味の集まりでも

なんでもいいのです。

 

自分とは違う組織に所属し、違う生き方をし、

違う生活をしている人と言葉を交わし、

一緒に行動する。そのことによって、

凝り固まっていた考えや思考が解きほぐされる。

今までは気づきもしなかった違う考え方に

たどり着いていることさえある。

 

そのことが、組織内にいる社員のことも、

そうではない求職者のことも、新たな

視点で見ることができる目を与えてくれる。

 

人事担当者と採用担当者では、対象とする

顧客が違う。その意味をしっかり認識して

いないと、採用担当者としても人事担当者

としても失敗することになります。