人材採用活動において採用担当者の
果たす役割は、求職者から見たときの
「企業の顔である」ことです。
しかし、これは二義的なものに過ぎません。
それよりも重要な「第一義的役割」は、
企業が維持発展していくために最重要と
なる資産である「人材」を取り扱うと
いう重責です。
この第一義的役割を果たすために、
人材採用担当者が「あるべき姿」に
ついて連載します。
第十回のテーマは
「反応が早い」
です。
24時間以内の返信
求職者とのやりとりはメールが中心に
なりますが、その返信スピードの目安
としては24時間以内がデッドライン
です。断りもなくこれに遅れるようだと、
たとえ返信をしたとしても、求職者は
「自分は軽んじられている」と感じます。
結果として、選考辞退、内定辞退という
結果となる原因になる。
ここで「断りもなく」という条件がついて
いることがポイントです。求職者の要望や
質問内容によってはすぐに返信ができない
こともあり得ますから、悪意はないけれど
遅いレスポンスになってしまうこともある。
しかし、求職者から見れば「断りもなく」
返信が遅いことに変わりはありません。
そうした時には、すぐに返信ができない
理由とともに、自分から期限を切って
「いつまでに回答する」と伝えること。
それで問題は解決します。
レスポンスが遅いことは、求職者を
「放置状態」にすることを意味します。
放置されれば疎外感を味わい、やがて
軽く扱われていると感じ、怒りへと
つながっていきます。
早く反応することは、求職者を大事に
扱うためには必須の行動です。これ
なくしては採用活動は成り立ちません。
しかし、早ければいいと
いうものではない
しかし、単に早く返信することのみを
もって「反応が早い」とするのは問題
であるといわざるを得ません。
たとえば、応募書類が会社に到着した時や
面接が終了した後に送る「お礼メール」
がそれです。
これらメールの文面がどうみても
「テンプレート」に沿ったものであり、
もしかしたら管理システムから自動的に
送信されたものである。そう感じられた
これらのメールは、いくら早くても
あまり歓迎されないでしょう。
なぜなら、採用担当者の顔が見えず、
想いが感じられないからです。
採用担当者が、だれに送信するかに
関わりなくコピペしただけの文面、
つまり業務上の義務から送信しただけの
メールに何の意味も感じないでしょう。
一言でいい。求職者個人個人に
あてて送っているメールであると
わかる言葉を入れること。応募書類を
読んだ感想、面接時にあった出来事
などを文章にして入れ込む手順を踏む
ことが重要になります。
その「ひと手間」をかけることができる。
それがほんとうに「反応が早い」仕事で
あるといえるでしょう。