企業が採用すべき人、採用してはいけない人 Vol.2「挫折しているか」


「人材こそが最大の財産である」

企業がどんな人材を採用し、

どんな人材を採用しないのか。

その自由は各企業にありますが、

この点は共通するでしょう。

 

この考え方に立てば、ある程度までは

「採用すべき人」そして

「採用してはいけない人」

を定義することができる。この連載は

それをテーマとしています。

 

第2回のテーマは

「挫折しているか」

です。

 

失敗がないのが美徳

 

日本という国自体が、いったん

レールから外れてしまうと軌道修正が

難しい国です。再チャレンジの道は

事実上閉ざされています。

 

そのいい例が、就職氷河期に正社員として

職を得ることができなかった人でしょう。

20年以上たった今も非正規雇用に甘んじて

いる人も多く、正社員への道は厳しい。

それならまだいいほうかも知れず、高齢

ニートになっている人も多い。

 

80代の両親の年金を頼りに、50代の

子供が引きこもりを続ける「8050問題」

も深刻な社会問題になりつつあります。

 

本人の責任によるものであるかどうかは

関係がなく、失敗や挫折をしたことが

マイナス評価しかされません。

二度とチャンスをもらえないのです。

だから、失敗することを極端に恐れ、

失敗というキズがないようにする

ことが、働くことにおいて重要です。

 

採用においてもそれは同じで、いまだに

転職回数が多い人は不利になるのは

間違いありません。理由の如何に

関わらず「本人の責任」にされてしまう。

マイナス評価されるからです。そのような

採用方針はすぐにやめるべきなのですが、

なかなか進んでいないのが現状でしょう。

 

失敗しないのは挑戦しないから

 

一昔前は転職することも「レールから

外れる危険な行為」であり、いったん

落ちてしまった穴からは出られない。

どれほど自身のキャリアアップのために

果敢に挑戦した結果であっても、組織

というレールを外れた人間には厳しい

目が注がれました。

 

面接では「どれだけキズが少ないか」

が一番の評価項目です。

 

「すぐに辞めないか」

「なにか問題を起こさないか」

「人間関係でトラブルを起こさないか」

 

そのような「前科」がないかどうかを

慎重に探ることが面接官にとっての

至上命題であり、その候補者がどんな

成果を上げてくれるかどうかは二の次

なのでした。

 

そのような面接官は大切なことを忘れて

いると言わざるを得ません。失敗しない

ことは簡単で、挑戦しなければいいだけで

あるということを。そのような人材は、

問題は起こさないが成果もあげないと

いうことを。

 

失敗や挫折をしている人材は、ぜひとも

前向きに評価し、採用することに躊躇

しないことです。高い山があれば深い

谷がある。優秀な人材には大失敗や

大きな挫折の過去があるものです。

 

 


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