「人材こそが最大の財産である」
企業がどんな人材を採用し、
どんな人材を採用しないのか。
その自由は各企業にありますが、
この点は共通するでしょう。
この考え方に立てば、ある程度までは
「採用すべき人」そして
「採用してはいけない人」
を定義することができる。この連載は
それをテーマとしています。
第6回のテーマは
「質問してくる」
です。
興味がないのか
これから勤務することになるかも
しれない企業の面接を受けている
にもかかわらず、なにも質問を
しない候補者を採用してはいけません。
企業のウェブサイトや求人票、面接官の
話だけでは解決しない、入社する前に
知っておきたい疑問が、一つや二つは
必ず出て来るはずです。ましてや、
興味のある対象であるなら、知りたい
ことが山のようにあるはず。
にも拘わらずなにも質問をしない
理由は、興味がないので特に知りたい
こともないからにほかなりません。
建設的な質問
もちろん、なんでも質問すればいい
わけではありません。ウェブサイトや
求人票をしっかり読んでいれば書いて
あることを質問するような愚行は
してはいけない。何の準備もなく、
面接に臨んでいるということであり、
それくらいの認識でいるということ。
採用すべき対象ではありません。
あまり質問をしすぎるとマイナス
イメージを持たれてしまうのでは
ないかという懸念があるのもわかり
ますが、それは過去の話です。
四の五の言わず、滅私奉公で黙って
言うことを聞いて働け。その代わり
終身雇用で一生面倒見てやる。
そういう時代の遺物です。もし
そのような採用方針の企業がある
なら、こちらから願い下げして
しまえばいい。
どんな仕事をするのか、どんな人と
一緒に働くことになるのか。
自分が入社して達成すべき目標、
ミッション、成果について細かく
訊くのは当然のことです。その種類の
質問であれば、いくらしてもらっても
なにも悪印象にはなりません。
企業側が採用する人に求める
やってもらいたい仕事と求める成果が、
候補者とマッチしているかどうかは
極めて重要だからです。
しかし、中には、
「給料はどれくらいもらえるのか」
「昇給はどのような仕組みか
「賞与の実績はどれくらいか」
「どんな研修制度があるのか」
「福利厚生にはどんなものがあるのか」
などなど、自分の利益のことばかりを
質問してくる候補者がいます。
はっきり言って、こういう人は
すぐにも不採用にするべきでしょう。
なぜなら、自分が仕事をすることに
よって企業にどれだけの貢献ができて、
その結果として自分がどれだけ成長
できるかには全く興味がないからです。
有体に言えば「お金」にしか興味がない。
何がもらえるのか。
どんなメリットがあるのか。
もらえるものばかりに興味を示す人は
採用すべきではありません。
面接での質問が、やるべき仕事、
それによって成長できる自分を
追求できる環境であるかどうかを
確かめるものであるなら、それが
採用する人の条件となるでしょう。