企業が採用すべき人、採用してはいけない人 Vol.10「義理人情に厚いか」


「人材こそが最大の財産である」

企業がどんな人材を採用し、

どんな人材を採用しないのか。

その自由は各企業にありますが、

この点は共通するでしょう。

この考え方に立てば、ある程度までは

「採用すべき人」そして

「採用してはいけない人」

を定義することができる。この連載は

それをテーマとしています。

第10回のテーマは

「義理人情に厚いか」

です。

お金で動く人の弱さ

「人手不足の解消のためには

賃上げもやむなし」

採用難の今の時代、この言葉がまるで

呪文のように唱えられているようです。

多くの企業が人材採用のために、

そして優秀な人材の引き留めの

ために、賃上げにまい進しています。

新卒採用者の初任給を2割3割アップ

させる企業は珍しくなくなってきて

いますし、幹部候補生として1000万で

採用するという企業も出ました。

AI人材など、これからニーズが高まる、

特殊なスキルを持つ人を、既存の賃金

体系とは関係なく特例として高給で

迎えることもその一つでしょう。

しかし、これらの動きは危険をはらんで

いると言わざるを得ません。なぜなら、

人はお金よりも義理や人情で動くことの

ほうが多いということに目を向けて

いないからです。お金で獲得した人材は

お金で他所に奪われてしまうのです。

人が働くことはたしかに「生活する資金」

を得るためであるということは間違い

ないことです。しかし、社会的に意義の

ある仕事であり、なにか大切なものの

ために貢献出来ている仕事であるか

どうかということも、同じくらい価値が

あることなのです。

いやむしろ、若い人ほど、仕事の意義や

貢献度に対して意識が高いという傾向が

あります。お金を稼ぐというよりも

信用を稼ぐという考え方である

言い換えてもいいでしょう。

信頼こそが財産

長い目で見れば、信頼を勝ち得ている

人のほうが強い。お金のために働き、

義理や人情に欠ける行動を取れば、

信頼を失う。そういう人は状況の

変化に弱い。

今の時代は変化のスピードが極端に

早くなっています。現在、役にたつ

経験やスキルが、明日にはなんの

役にも立たなくなってしまっている

ことも起こりえます。価値がなく

陳腐化してしまいます。

その点、信頼は時代の変化に関係なく

価値を持ち続けます。これからの時代は

お金に代わって信頼の価値がより重要に

なるでしょう。

最低賃金の早期「1000円」の達成

老後資金の必要額「2000万」

人生「100」年時代の働き方

人生や働くことに関する具体的な数字を

目にすることも多くなってはいますが、

容易には解決できない。右往左往する

ひとも多いようです。

とりあえずできることは、少しでも

給料のいい会社に勤めること。

そして、働き方改革で残業することの

代わりに生まれた時間を、副業などで

稼げる時間にすることなのでしょう。

しかし、そのような行動に走らず、

こんなときこそ、目の前のお金を

拾うことはやめるべきです。

人とのつながり、義理人情に目を

向けていくことが重要です。