企業が採用すべき人、採用してはいけない人 Vol.11「同族会社を厭わないか」


「人材こそが最大の財産である」

企業がどんな人材を採用し、

どんな人材を採用しないのか。

その自由は各企業にありますが、

この点は共通するでしょう。

 

この考え方に立てば、ある程度までは

「採用すべき人」そして

「採用してはいけない人」

を定義することができる。この連載は

それをテーマとしています。

 

第11回のテーマは

「同族会社を厭わないか」

です。

 

99%以上

 

日本企業の99%以上は、創業者や経営者の

一族・親族が社長や役員など経営陣の地位を

占めている同族会社だろうと思います。

上場非上場、規模の大小を問わず、

就職するときに、同族企業ではない企業を

探すほうが難しいでしょう。

 

個人的には異論もありますが、現実的には、

同族会社を嫌う人を採用するのはやめて

おいたほうがいいのかもしれません。

のような気位の高さを持つことは

重要ですが、清濁併せ吞む柔軟さを持ち、

働くうえではある程度のワリキリが

必要だと考えられる人でないと、

長続きしないからです。

 

だれもが知る企業でも同族会社である

ところはたくさんあります。

 

トヨタ自動車は現社長が創業一族ですし、

日清食品はチキンラーメンを発明した

ことでも有名な創業者・安藤百福氏の

息子さんが現社長です。

非上場の会社の中で有名どころとなると

竹中工務店やサントリーが代表的です。

ほかにも「え?ここも?」という

企業がズラリと並んでいます。

https://bit.ly/2JJ21gM

 

同族会社と聞けば、社長やその一族が

大きな顔をし、社員をあごでこき使い、

公私混同はなはだしく、たいした能力も

ないくせに高い役員報酬をもらって

私腹を肥やし、平然としている。

働く人にとって一方的に理不尽なことが

日常茶飯事に起こり、耐えがたい屈辱を

味わわされてもただ黙って耐えるしかない。

そういうイメージが付きまといます。

 

同族会社の功罪

 

そんな一部の人間が優遇され理不尽が

まかり通るような会社であれば、たとえ

同族会社でなくとも働くのはやめておく

べきです。問題は同族会社であるかどうか

ではなく、そのような恣意的な経営が

行われているかどうかです。

 

私も同族会社に勤務した経験があります。

その経験からも同族会社のすべてが悪い

わけではないと考えています。

 

同じ創業一族でも、有能で人物としても

尊敬できる素晴らしい人もいました。

その一方で、無能かつ傲慢不遜な最低の

人物で、もう二度と顔も見たくない、

どんなことがあってもこいつにだけは

頭を下げたくないという人もいました。

 

要は、創業一族で経営を担うことそれ

自体は悪いことではないのですが、

企業が存続していく上では、一族だけで

その重責を担うことができる人材を

輩出し続けることは難しいということ。

「外部の人間」の協力なくしてそれは

不可能だということです。そのことを理解

しない一族親族が会社をつぶすのです。

 

同族会社というだけで毛嫌いする人は、

表面的な事実にとらわれすぎなのでは

ないでしょうか。要は、自分の力を

発揮できる環境であるかどうかが重要

なのであり、そのことを冷徹に見極める

目が必要なのです。


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