企業が採用すべき人、採用してはいけない人 Vol.16「礼儀正しいか」


「人材こそが最大の財産である」

企業がどんな人材を採用し、

どんな人材を採用しないのか。

その自由は各企業にありますが、

この点は共通するでしょう。

 

この考え方に立てば、ある程度までは

「採用すべき人」そして

「採用してはいけない人」

を定義することができる。この連載は

それをテーマとしています。

 

第16回のテーマは

「礼儀正しいか」

です。

 

顔を使い分ける

 

飲食店などの店員さんに対する態度は、

その人の「人となり」を判断するのに

最適であると思います。

そこで横柄な態度を取るような人なら、

採用対象として考えないほうがいい。

 

会議室でする面接の代わりに飲食店に

招いて会食をするのは、面接をする

のでは見えてこない「人となり」を

判断するためです。しかし多くの場合、

その判断ポイントを間違えています。

 

なぜなら、上座下座、お酌、食べ方など

マナーや立ち居振る舞いが洗練されて

いるかでどうかで判断してしまいがち

だからです。それらは、訓練すれば

誰でもできることであり、人となりを

評価するポイントとしては弱い。

 

そうではなく、店員さんに対する

態度によって評価するべきです。

自分にとって利益のない相手に

対しても礼儀正しく、敬意ある

態度を取れるかどうか、という

ことです。

 

オーダーを取るのが少し遅れたり、

間違った商品を持ってきたりなど

ちょっとした失敗はよくあること。

それに対して嫌な顔をしたり高圧的な

態度を取る人は、会社でも部下や同僚の

些細な失敗に対して同じことをします。

採用するのはやめたほうがいい。

 

ただ、それは問題外の行動で、面接の

代わりである会食の場では面接官の手前、

不快に思っていても表情には出さない。

顔を使い分けられることでしょう。

 

さりげない配慮ができるか

 

そうではなく、たとえば、店員さんが

お皿を片付けやすいようにまとめて

端に寄せたり、空いたグラスを渡したり、

通りやすいように体を寄せたり。

そういうさりげない配慮からくる行動が

できているか、それを観察するべきです。

それが礼儀正しさです。

 

お客として店にいるわけですから、

上記のような行動を取ろうが取るまいが

価格に変わりはありません。しかし、

そういう、自分にとっての利益を超えた

ことのために行動できる人かどうかは

重要なポイントです。そしてこのことは、

人に対する敬意、礼儀正しさに直結する

ことではないでしょうか。

 

店員さんに対する態度をつぶさに観察し、

店員さんにも敬意ある、礼儀正しさを

持っているかどうか。これを会食の場で

はないときでも判断することができます。

 

面接官ではない、例えば守衛さんや

受付に対する態度がどうだったかで

判断できます。面接官の前でする顔は

自分にとって利益のある人に対する顔。

利益のない人に対する顔こそが、その

「人となり」「礼儀正しさ」を表す。

 


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