「人材こそが最大の財産である」
企業がどんな人材を採用し、
どんな人材を採用しないのか。
その自由は各企業にありますが、
この点は共通するでしょう。
この考え方に立てば、ある程度までは
「採用すべき人」そして
「採用してはいけない人」
を定義することができる。この連載は
それをテーマとしています。
第17回のテーマは
「無関心でないか」
です。
ゼロの功罪
ゼロの発見は数学を大いに発展させ
ましたが、人材採用においては、
ゼロは如何ともしがたいものです。
何事にも関心を持たず、現状に対し
「是」とも「非」とも意見を持たない
無関心な人は採用すべきでありません。
チームは掛け算です。ゼロの人が
一人でもいると、チーム全体がゼロに
なってしまいます。この場合、ゼロの
人とは能力が低い人のことを意味しない。
無関心である人のことを指します。
物事に対する関心さえ持っていれば、
指導や訓練によっていくらでも引き上げる
ことができます。その頑張りによって、
周囲にも良い影響を与えることができ、
チーム全体の士気向上に貢献することも
できるでしょう。従って、能力が低いこと
だけではゼロにはなりえません。
しかし、いくら能力が高くても無関心の
人はゼロになりえます。その無関心さが
悪影響を及ぼしチームの士気を下げる
からです。パフォーマンスが上がらない
チームや組織は、そのほとんどの原因は
士気低下です。
この問題を取り除くには、無関心な人に
外れてもらうよりほかにはないでしょう。
他の方法、たとえば優秀な人材を送りこむ、
給与や待遇を改善する、などではできない。
是でも非でも、それには理由があります。
是である人を非に、非である人を是に
持っていくことはできます。
しかし、無関心には理由がありません。
無関心な人を説得して是か非かにもって
いくこともできません。ゼロには手の
打ちようがないのです。