「人生100年時代」
この言葉を聞いて、どのようなことを
連想するでしょうか?
お金、就転職、教育、結婚、出産・・・
いろいろなことが、人生が長くなるに
伴って根底から変わっていくことでしょう。
人材採用も大きく変わっていきます。
人生が長くなり、「働くこと」に対して
認識や価値観が変化する人材と、どう
向き合っていくのか。その問題が会社に
重くのしかかっています。
そんな時代と働く人のニーズをとらえ、
「採用力が高い」会社となるために何が
必要かを考えていく連載です。
第5回のテーマは
「全員採用担当」
です。
アクセスのしやすさ
採用を成功させるために盲点、
もしくは重要視されないでいる
状態になりがちなこと。それは、
候補者にとって応募しやすい
「入り口」を作ることです。
これができていないと、どれだけお金を
かけて求人広告を打とうとも、給与や
待遇を改善して働くメリットを整え、
働きやすい環境だとアピールしても、
すべてを台無しにしてしまいます。
どういうことでしょう?
例えば、求人を見て応募しようと電話を
したものの、電話に出た社員が
「採用担当者?え?あの人かな?
えーと、今いないですね。いつ戻るか?
ちょっとわかんないですよね。
また電話してもらえますかね?」
などと対応されたら?せっかくの応募を
逃してしまう可能性が高いでしょう。
ここまで酷くはなくても、
取引先に対してなら絶対にしない、
ぶっきらぼうな口調だったら?
「自分は採用担当者じゃないんだよな」
という、迷惑そうな態度だったら?
今のような人手不足の時代は、社員全員が
採用担当者としての気持ちを持っている
ことが求められます。採用が上手くいくか
どうかは、自分にも関係の深い問題だという
「当事者意識」が必要です。
メールで受けてメールで返す
いざコンタクトを取ろうとすると、
とたんにアクセスが悪くなる企業に
手間をかけて応募しようという人は
いません。よほどの有名企業、大企業
でもない限りは期待できないでしょう。
そんな少しの手間もかけないのは
応募者に問題があるのでは?
当社に対する情熱があれば、何度か
電話することぐらい、なんでもない
ことではないか。
はっきり言いましょう。働く人は、
毎日のように、自然と求人広告を
目にしています。LINE、ツイッター、
インスタ、FBなどのSNSをスマホで
見ているだけで、タイムラインに
広告がたくさん流れてくるのです。
そして、その多くがスマホから、
タップ一つでコンタクトが取れる
ものばかりです。そして、それに
対するレスポンスはメッセージで
素早く返ってきます。
この点だけを見ても、レスポンスが
悪い企業は、応募者からスルーされて
しまいます。それでもあきらめず
電話してきてくれることがあっても、
上記のように「電話に出た人」が対応
すれば一巻の終わりです。
応募があったら即座に対応する。
なんらかの事情で対応が遅れることも
あります。多くの中小零細企業では、
専属の採用担当者などいないのが
普通です。
そんな状態でも、気が付いた人が対応
する体制を整えておくことでカバーできる。
社員全員が採用担当者であるという自覚を
持ち、応募者からの電話やメールといった
メッセージには真摯に対応することが、
応募者を「迎え入れる」ことにつながります。