「人生100年時代」
この言葉を聞いて、どのようなことを
連想するでしょうか?
お金、就転職、教育、結婚、出産・・・
いろいろなことが、人生が長くなるに
伴って根底から変わっていくことでしょう。
人材採用も大きく変わっていきます。
人生が長くなり、「働くこと」に対して
認識や価値観が変化する人材と、どう
向き合っていくのか。その問題が会社に
重くのしかかっています。
そんな時代と働く人のニーズをとらえ、
「採用力が高い」会社となるために何が
必要かを考えていく連載です。
第9回のテーマは
「受付力が高い」
です。
応募があったとしても・・・
人手不足の現在、人を採用しようと
求人を出しても「そもそも応募がない」
という嘆きをよく聞きます。確かに
深刻な問題です。応募がなければ
採用することは不可能ですから。
しかし、多くの企業で、たとえ応募が
あったとしても採用することは極めて
難しいと思われるケースがあります。
それは「応募受付の仕組み」ができて
いない、ということが原因です。
具体的に言えば、
「自社サイトに採用情報ページがなく、
応募フォームもない」
「問い合わせ方法が電話のみ」
「担当者の名前も書かれていない」
などです。
これでは「気軽にお問い合わせください」
という言葉があったとしても、空しく
響くだけです。
スマホで検索、興味がある企業があったら
その場でタップ一つで応募ができてしまう
のが今の時代です。
つまり、応募に手間がかからないことが、
募集をするにあたってか欠かせないことに
なっているのです。手間がかかるようなら
それだけで圧倒的に不利です。門戸を閉ざ
しているに等しいとさえ言えるでしょう。
現場で起こっていること
求職者からの応募受付の仕組みができて
いないと、現場ではどんなことが起こる
でしょうか。
たとえば、応募するには電話しか
方法がない場合には、それだけで
応募が期待できなくなります。
なぜなら、特に若い世代はメールや
LINE世代で電話を苦手とする人が
多いからです。怖いという人さえ
います。
全く知らない相手に電話をかけるという
行為をするくらいなら、電話しなくて済む
企業に応募すると考えておくべきです。
それでもなんとか電話したとします。
多くの企業では採用担当は一人か二人
しかいないでしょう。はっきり決まって
いないこともある。もし不在だったら?
採用にまったくタッチしていない人が
電話を取ることになる。要領を得ない
でしょう。
伝言を残してコールバックを待たなければ
ならないのは不便です。それならまだいい。
悪くすれば「また電話して」などと言われて
邪険に扱われることさえある。
注文の電話が入った時「担当者がいないので
また電話して」などと言う企業などないのと
同じで、人が欲しいと募集している企業が
応募の電話に対して「また電話して」など
と対応するのは言語道断です。二度と電話など
くるはずはありません。
こういうことの結果、みすみす応募を
逃しているという現実を見ないで、それでいて
応募がないと嘆くのは、お門違いでは
ないでしょうか。
まず、応募しやすいように電話以外の
メールや応募フォームを用意するなど、
「応募者目線」で対応していかないと、
応募がないのは当たり前です。受付する
用意ができているとは言えません。