人生100年時代に「採用力が高い」会社とは Vol.10「フィードバックする」


「人生100年時代」

この言葉を聞いて、どのようなことを

連想するでしょうか?

 

お金、就転職、教育、結婚、出産・・・

いろいろなことが、人生が長くなるに

伴って根底から変わっていくことでしょう。

 

人材採用も大きく変わっていきます。

人生が長くなり、「働くこと」に対して

認識や価値観が変化する人材と、どう

向き合っていくのか。その問題が会社に

重くのしかかっています。

 

そんな時代と働く人のニーズをとらえ、

「採用力が高い」会社となるために何が

必要かを考えていく連載です。

 

第10回のテーマは

「フィードバックする」

 

再チャレンジの機会

 

採用活動の結果、求職者を不採用に

する場合、理由を示す企業はほとんど

ありません。不採用になった事実だけを

淡々と書面で伝え、いわゆる「お祈り」

をして終わりです。

 

人手不足の現在、熱心に採用活動を

している企業は多いですが、それも

採否が決まるまでのこと。不採用に

なった人に対しては、あまりにも

冷たい。

 

なぜ不採用になったのか、どこが良くて

どこがいけなかったのか。それらを

知りたいと思っても、方法はありません。

不採用理由を開示する必要はないという

裁判例もありますので、求職者が理由の

開示を求めてもムダでしょう。

 

学力試験なら答案が返ってきますので、

間違った個所を勉強しなおし復習する

ことによって、次に活かせます。

しかし、その「権利」が、採用試験に

おいてはまったく無視されているのです。

不採用理由が書かれていない通知は、

求職者にとって何の意味もありません。

 

そうではなく、不採用になった人にその

理由をフィードバックする。それだけで、

採用力は高まります。なぜなら、はっきりと

不採用理由を示さなければならないので、

採用する側には緊張感が生まれます。

求職者も不採用理由を次に活かし、その点を

改善して再チャレンジする機会が与えられ、

実際にそうする人も出てくるでしょう。

 

「新規」を獲得するコスト

 

商品やサービスを販売する際に、

新規顧客を開拓し続けることには

非常に大きなコストがかかります。

それよりも、リピート、常連、

定期購入(サブスク)など、

継続して買ってくれるお客様を

維持するほうが確実です。

 

採用活動についても同じことが

言えます。採用が必要になるたびに

求人広告を出し、人材紹介会社や

ヘッドハンターに依頼していては

費用がかかってしまいます。

 

そんな時に、過去に自社求人に応募

してもらったものの不採用になった

人々に声をかけることができれば

費用はかかりません。しかも、その

リストは自社だけが使えるもの。

他社が持ちえないリストです。

 

しかし、不採用理由も開示することなく

「お祈り」通知しているだけでは、その

リストは死んでしまっています。

なぜなら、本人にしてみれば、

 

「大した理由もなく、自分を不採用に

した感じの悪い会社」

 

という印象しかないからです。

再チャレンジする気が起きなくて

当然です。

 

なぜ不採用になったのか、その理由を

フィードバックしてもらっていれば、

少なくともその会社のことは覚えている。

その理由は納得のいくものであれば、

なおのことです。

 

フィードバックをすることにより、

もしかしたら採用する側、採用される側

という関係になっていたかもしれない

「他生の縁」は続いていきます。そして、

その数が多ければ多いほど、採用力は

高くなっていくのです。