人材採用をするのに特別な努力は
必要ありません。当たり前のことを
当たり前のようにするだけで十分です。
しかし、世の常として当たり前のことほど
実行が難しいもの。それが人材採用できる
会社とできない会社の分かれ道になります。
この連載では、人材採用ができないと嘆く
会社が口にしがちなセリフを挙げ、それが
「当たり前のこと」に反する、ダメなこと
である理由について書いていきます。
第3回のテーマは
「いい人がいれば採用したい」
です。
何も決めていないに等しい
まずお伺いしましょう。
「いい人」って、具体的には
どんな人なのでしょう?
経歴やスキルが「いい人」?
見た感じや印象が「いい人」?
ウチの会社と相性が「いい人」?
どれも重要な要素ではあります。
どれが欠けても、採用には至らない
ものばかりでしょう。
しかし、新卒採用ならともかく、
中途採用では、入社後にやってもらう
仕事、あげてほしい成果は決まって
います。だから求人を出すのです。
「いい人」とは、仕事をやり遂げ成果を
上げてくれる人のことであり、それ以外
にはありえません。
そのために必要な要素はなにか、具体的に
決めて採用活動をスタートさせ、求人にも
はっきり書いておかなければ、求める人の
応募を見込むことはできません。
単に「いい人」というだけでは、
何も決めておらず、直感で、好き嫌いで
いきあたりばったりで採用しますと広く
宣言しているようなものです。
恥ずかしいので、やめましょう。
求められる成果
また、応募する側の求職者としても
どのような成果を求められているのか
求人にはっきり書かれていなければ、
応募するのに困ります。自分が条件に
合っているのか判断のしようがない
からです。
入社してどんな仕事をするのか。
どんな成果が期待されているのか。
それがわからない求人に応募する
のは、ギャンブル以外のなにもの
でもありません。
もし外れれば、早期退職という結果に
なってしまい、せっかくのキャリアが
そこで中断してしまいます。以後の
転職にも悪影響が出ます。
「いい人」などという曖昧ことで
行き当たりばったりの採用活動を
することは、採用する側にも採用
される側にもデメリットしかありません。
「使い勝手がいい人」
「これといった欠点がない人」
を採用したいと言っているに等しい
「いい人がいれば採用したい」という
求人には、何の魅力もありません。
出さないほうがマシです。怠慢です。