採用ができない会社が言いがちなこと Vol.11「ウチには合わない」


人材採用をするのに特別な努力は

必要ありません。当たり前のことを

当たり前のようにするだけで十分です。

 

しかし、世の常として当たり前のことほど

実行が難しいもの。それが人材採用できる

会社とできない会社の分かれ道になります。

 

この連載では、人材採用ができないと嘆く

会社が口にしがちなセリフを挙げ、それが

「当たり前のこと」に反する、ダメなこと

である理由について書いていきます。

 

第11回のテーマは

「ウチには合わない」

です。

 

企業文化は必ずある

 

「無くて七癖」ということわざが

あります。さして特徴がなく、

平々凡々で癖がないように見えても、

少しは癖を持っているのが人間である

という意味です。

 

企業も同じです。何の特徴もなく

昔からある業種を事業内容にして

地道にやっている平凡な企業に

見えても、実際は独特の文化を

持っているものです。それに

順応できない人はやっていけない

ほど、強固なものである場合も多い

ものなのです。

 

だからこそ、人材採用にあたっては

企業文化に合わない人を採用する

ことは避ける必要があります。

そうでなければ早期退職など、

お互いにとって不幸な結果に

なります。

 

企業文化としてわかりやすいのは、

いわゆる「体育会系」です。

私自身、苦い経験がある企業文化です。

 

「朝礼で社訓を大きな声で唱和する」

「社長が朝、オフィスに入ってきたら

社員全員、直立不動で大きな声で挨拶する」

「業務中でも、社長に会ったら大きな

声で挨拶する」

 

これらをしっかり励行することが

至上命題で、それができない人は

ダメ人間というレッテルを貼る

という企業文化でした。

 

私自身は、このような

「大きな声で挨拶する」ことなど

必要なく、業務をしっかりこなし

成果をあげるというサラリーマン

としての義務とは何の関係もない、

という考えです。

 

事前にわかっていれば入社する

ことなどなかったであろう、

私としては受け入れられない

企業文化でした。

 

大きな声を出さず順応することが

なかったので、上司が社長から直々に

言われたらしく、別室に呼ばれ何度も

注意されました。しかし、考えを曲げる

必要性を感じることはどうしても

できませんでした。それどころか、

注意されるたびに退職の意思が固まって

いくだけでした。すぐに退職しました。

 

自分と「合わない」

 

このように、企業文化と合わない

人が入社すると日々の仕事の中で

息苦しさを感じますし、それから

逃れるには退職するほかには道は

ありません。企業文化は一人の力で

一朝一夕に変えることなどできる

ものではないからです。

 

毎年4月になると

「入社数時間で辞めた新入社員」

のような記事が出ます。それを

読むと、本人の性格と企業文化が

合わないことによるものが

ほとんどのようです。

早期退職が出てしまうのは

「企業文化と合わない」ことが

原因です。

 

しかし、「ウチには合わない」

という判断は企業文化がわかって

いればこそできるものです。

中にいる人には企業文化は

「当たり前」のものになって

しまっているので気づきにくい。

 

「ウチには合わない」という判断は

多くの場合、面接官であり、入社

すれば上司になる「自分とは」

合わないということに過ぎない

場合が多いのです。これでは採用は

難しくなる。

 

「ウチには合わない」というのを

「企業文化に合わない」という

意味でしっかりと使うためにも、

企業文化をしっかりと把握して

求職者に伝え、合うかどうかを

判断しなければなりません。

 

 


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