人材採用をするのに特別な努力は
必要ありません。当たり前のことを
当たり前のようにするだけで十分です。
しかし、世の常として当たり前のことほど
実行が難しいもの。それが人材採用できる
会社とできない会社の分かれ道になります。
この連載では、人材採用ができないと嘆く
会社が口にしがちなセリフを挙げ、それが
「当たり前のこと」に反する、ダメなこと
である理由について書いていきます。
第18回のテーマは
「できるだけ多くの人に会う」
です。
骨折り損のくたびれ儲け
採用活動をするにあたって注意
しなければならないことは、
「仕事しているふり」
をしてしまいがちだ、ということです。
その最たるものが面接です。
採用担当者にとって、面接をしていない
状態が続くと焦りが募ります。周囲から
「仕事をしているようには見えない」
と思われるかもしれないと感じるからです。
しかし、いくら面接をしていても、
採用するに値しない人を呼んで
しまっているようなら、まったく
意味がありません。成果につながる
はずもない時間を過ごしているの
ですから、給料泥棒だと言われても
仕方がありません。
予断をもって判断せず、書類だけでは
わからなかった部分や可能性を探り、
掘り出し物を見つける。そのためには
できるだけ多くの人と会うことが重要だ。
そういえば聞こえはいいですが、そんな
ことは滅多にありません。99.9%はムダ
であると断言してもいい。
骨折り損のくたびれ儲けに終わるでしょう。
できるだけ会わない
逆説的ですが、採用担当者の仕事は
できるだけ人と会わないように
することです。会うときは、採用するに
値する人だけに絞ることです。
そのための仕組みを作ることが重要な
仕事になります。
その意味では、採用活動とはいわゆる
マーケティング活動であると言えます。
お客様になる可能性が高い人を営業
担当者の前に連れてくることが
マーケティング担当の仕事です。
採用担当者は、人を募集している部署に、
採用するに値する人を引き合わせる
ことが仕事です。そうでない人を連れて
くることは、できるだけ避けなければ
いけません。なぜなら、時間は何よりも
大切な資源だからです。
できるだけ多くの人と会うのではなく、
できるだけ人と会わないために仕組み
を作ること。このほうがはるかに
難しくやりがいのある仕事です。