長い目で見る人材採用 Vol.1「公募しない」


「人手不足倒産」という言葉を

見る機会が多くなりました。

そこまででなくても、人が足りない

ために受注を断っている企業の話も

よく耳にします。

 

人材採用は、火急を要することで

あったとしても、拙速に動くことは

慎まなければなりません。

「急ぎつつ待つ」ことが重要です。

 

この連載では、そのような

「急ぎつつ待つ」ために何をする

べきなのかについて書いていきます。

 

第1回のテーマは

「公募しない」

です。

 

お金さえ出せば

 

採用活動をするのは、ある意味では

非常に簡単なのです。なぜなら、

お金さえ出せば採用できる可能性が

より高くなっていくからです。

 

多くの媒体にバンバン求人広告を出し、

ヘッドハンターに紹介料をはずみ、

提示する給与を青天井に上げる。

そうすれば、優秀な人材からの応募が

多く集まることが予想されます。

それほど労せずして採用できるでしょう。

 

つまり、人材を募集をしていると

いうことをより多くの人の目に

留まるようにするために、そして

より多額の給与を提示するために、

湯水のようにお金を使えるほうが

有利だということです。

 

広く人材を募集するために「公募」する

という方向性でいく限りは、使えるお金が

モノを言うのは確かなことです。

実際にはそれほど簡単ではないことは

百も承知です。大げさに言っていますが、

お金も使わずに「公募」して採用するのは

無理があると言わざるを得ません。

 

ではどうするか?

人脈を利用した「私募」型採用をする

ことになります。

 

私募型採用とは

 

ハローワークや求人広告、人材紹介や

ヘッドハンティングのような方法が

「公募型採用」です。

それに対し、経営者をはじめ社員を

含めた全員の人脈のなかから採用

候補者を探すことを私募型採用

いいます。リファーラル採用と

いう用語が一般的によく使われます。

 

社内にいるすべての人の人脈を

すべて活用すれば、相当な人数の

候補者がいることになります。

取引先の担当者や過去の応募者、

退職者なども含めればさらに

広まります。

 

公募型採用では、お金さえ払えば

だれでも見ることができる

「候補者リスト」を対象として

採用活動をするので競争が激しく

なってしまいます。

 

それに対し私募型採用では、他社が

どれだけお金を払っても見ることが

できない、その会社独自の候補者リスト

を対象に活動ができます。有利です。

 

また、優秀な人材は優秀な人材を

知っている傾向にありますし、

採用される側からすれば、信頼する

人からの紹介であれば確かな情報

だと感じて前向きになります。

社内の状況、企業文化、仕事の内容

なども、偽らざる「本当のところ」

が聞けるのも大きなメリットです。

 

ふんだんにお金を使って公募をすれば

すぐに応募が集まる。活動がすぐに

スタートできるので安心できます。

しかし公募すれば、海のものとも

山のものともわからない人たちを

対象としなければならないのも事実。

 

それに対して私募型採用であれば、

普段から接している人からの確かな

情報をもとに判断できます。

その点でも大きなメリットがあると

言えるでしょう。

 


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