「人手不足倒産」という言葉を
見る機会が多くなりました。
そこまででなくても、人が足りない
ために受注を断っている企業の話も
よく耳にします。
人材採用は、火急を要することで
あったとしても、拙速に動くことは
慎まなければなりません。
「急ぎつつ待つ」ことが重要です。
この連載では、そのような
「急ぎつつ待つ」ために何をする
べきなのかについて書いていきます。
第4回のテーマは
「受付態勢を整える」
です。
応募がない?本当に?
人材採用活動において悩みの種の
1つが「求人に応募がない」こと
でしょう。しかし、少なくない
ケースで、応募したいと思う人を
「門前払い」してしまっている
のもまた事実なのです。
その原因は
「応募を受け付ける態勢」が
整っていないことです。
応募方法と応募先、担当者名が
明記されている。応募受付方法は
複数存在し、どれを選択してもいい。
応募に対してはすぐにレスポンスが
きて、次に何をすればいいかの案内が
すぐに来る。
そのような態勢を整えてなくては、
応募者を「門前払い」することに
なります。
応募受付が電話のみで、しかも
いつ電話しても担当者不在の
ケースなどは問題外です。
コールバックを頼んでも、なにか
面倒くさそうに対応される。挙句、
放置されてしまうようなら目も
当てられません。
メールや応募フォームが用意されて
いた場合でも、応募から長期間返信
がない。業を煮やして問い合わせを
しても担当者がいない・・・
求人を見る限りでは「熱烈歓迎!」の
ようなトーンなのに、いざ応募しようと
接触を始めたとたん、歓迎ムードの
かけらもない。それどころか迷惑がられ、
不誠実で邪険な扱いを受けてしまう。
このようなことでは「応募がない」と
嘆く資格もありません。応募をみずから
拒否しているも同じです。
求人に応募があった時に「だれが」
「どのように」対応するかまで
決めていないと、意味がありません。
せっかく安くはないお金を投入して
求人広告をうっているのですから、
応募受付態勢の不備で「門前払い」
するような愚を犯してはいけません。
社員全員が採用担当
しかし現実は、採用担当は一人で、
しかも他の業務と兼任している
ことが多いでしょう。中小企業では
それがほとんどのはずで、担当者が
不在になったり、すぐにレスポンスが
とれなくなる危険が常にあります。
それを防ぐには、社員全員が採用担当で
あるという意識を持つことが重要です。
採用担当の「実務」はしなくとも、
応募者に不快な気持ちを与えず、
採用に熱心な会社であるという印象を
持ってもらうには、社員全員の協力が
欠かせないのです。
募集を行っているということを全員に
周知し、採用に関する電話がかかって
きたときの対応マニュアルを準備
することは最低限です。そのうえで、
採用はすべての社員にとって関係の
深い「自分事」であるという啓蒙活動
が必要になります。
だれと一緒に仕事をすることになるか。
誰が自分の隣に座るのか。この点に
関心のない人はいません。それに直結
するのが人材採用活動です。そのことに
積極的に関わってもらうのは、社員に
とっても損はありません。