長い目で見る人材採用 Vol.5「退職者を組織化する」


「人手不足倒産」という言葉を

見る機会が多くなりました。

そこまででなくても、人が足りない

ために受注を断っている企業の話も

よく耳にします。

 

人材採用は、火急を要することで

あったとしても、拙速に動くことは

慎まなければなりません。

「急ぎつつ待つ」ことが重要です。

 

この連載では、そのような

「急ぎつつ待つ」ために何をする

べきなのかについて書いていきます。

 

第5回のテーマは

「退職者を組織化する」

です。

 

アルムナイ(Alumni

 

人材採用活動のキーワードとして

最近注目を集めているのが

アルムナイ(Alumni)です。

単語の意味としては「卒業生」

「同窓生」なのですが、人材採用で

使う場合は

 

「過去在籍した社員と継続的に

つながり続けること」

「そのつながりの中から、即戦力人材

として出戻ってきてもらうこと」

 

を指します。

 

つまり、退職社員を採用候補として

リスト化し継続的にアプローチする

ことで、出戻り社員を獲得するという

人材採用活動なのです。

 

もちろん、すべての退職者を対象に

できるわけではありません。

ひどい扱いを受けたなど悪感情を

持って退職していった元社員は、

採用候補としてリスト化する

ことはできないでしょう。

 

しかし、企業のほうで退職者を

退職者としか扱わなければ、もう

二度と関わることのない人になり

関係は絶たれてしまいます。

 

企業側のスタンスとしては、過去に

退職していった社員はいつでも

戻ってくることができる「卒業生」

として、あくまでも扱うことが

重要です。

 

組織化の方法

 

「卒業生」の組織化は、その

退職届手続きのときにすでに

始めておく必要があります。

 

つまり、退職に当たって必要な

書類を提出してもらうなど、

退職時には人事部門との関わりが

できます。退職にいたった経緯を

明らかにするために面談もする

ことでしょう。

 

そのときに、「出戻り」制度が

あることを伝え、併せて、今後、

継続的に連絡を取ってもいいか

どうかを確認します。OKなら

連絡先を確保しておきます。

 

継続的な連絡の方法は、それこそ

様々なものが考えられます。

 

「卒業生」向けニュースレターを

定期的に発行する。

「同窓会」を開催する。

採用ポジションについて、自身、

あるいは友人知人の紹介を促す

連絡をする。

 

人事部門の中に「卒業生」担当者を

置き、「卒業生」向けのサービスを

利用する企業も増えつつあります。

 

退職・転職者との繋がり

(アルムナイ・リレーション)を

活用することは、長い目で見た

場合には、人材採用の一つの

チャンネルとして重要になって

くることでしょう。

 

 

 

 


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