「人手不足倒産」という言葉を
見る機会が多くなりました。
そこまででなくても、人が足りない
ために受注を断っている企業の話も
よく耳にします。
人材採用は、火急を要することで
あったとしても、拙速に動くことは
慎まなければなりません。
「急ぎつつ待つ」ことが重要です。
この連載では、そのような
「急ぎつつ待つ」ために何をする
べきなのかについて書いていきます。
第8回のテーマは
「読書する人を選ぶ」
です。
過去の栄光
履歴書・職務経歴書に書かれている
ことは、過去の栄光に過ぎません。
これから先の業績や成果を保証
してくれるものではないのです。
都合の良いように脚色されて
いるかもしれないし、たまたま
運が良かっただけで本人の力では
ないかもしれないという問題も
見逃せないことですが、それより
いまがピークの状態かもしれない
という危険が常にある、ことの
ほうが重大です。
「過去の成功体験」に縛られ、
変化を嫌い、時代に対応できない
人になってしまっているようでは
採用するに値する人材ではない
のは明らかです。
もし、これからの成長や成果を
保証することに近いものがあると
したら、私は「読書をする人か
どうか」がその指標になりうる
ものと信じています。
著名な経営者や成功者に
「読書家でない人はいない」
とはよく言われることです。
成功するには、時代を読み、
変化に対応するためには
脳内のアップデートが必要です。
そのためには読書が欠かせない
と考えているからこそでしょう。
経営者や成功する人は、一般的な
サラリーマンの数百倍、読書を
するというデータもあります。
著名人は読書習慣を持つ
ウォーレン・バフェット
ビル・ゲイツ
マーク・ザッカーバーグ
バラク・オバマ
誰でも知っている著名人は
あまねく読書家です。
1日500ページを読み、
自前の図書館を持ち、
その年に読んだ本の中から
ベスト10を毎年発表し、
1年のうち数週間は本だけを
読む期間を取る。
これらの事実とのアナロジーで
考えてみれば、読書習慣を
持っているかどうかは、長い目で
見たときの採用基準としては
かなりの精度を持つのでないで
しょうか。
確かめる方法は簡単です。
ここ3カ月で読んだ本をできるだけ
挙げてもらい、その内容を説明
してもらうだけです。そして、
そのことをどのように仕事に
活かしたかを、事例とともに
説明してもらいます。
たとえこれらの質問に回答
できなかったとしても、すぐに
不採用にすることはありません。
個人的には読書が最適の方法で
あると考えていますが、脳内の
アップデートをする方法は
読書だけではありません。
だから、他に実践しているアップ
デート方法があるのであれば、
それを説明してもらえばいい
だけのことです。
脳内のアップデートを怠らず
そのために時間とお金を使って
いるかどうかを確認することが
成果を上げる人を採用するために
欠かせないことです。そのために
最適な方法が読書家であるか
どうかということなのです。